ウラシネマイクスピアリブログ

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『リロ&スティッチ』

 皆さんお待ちかねの映画が今週も登場です。あの人気アニメシリーズが実写映画化、6/6(金)公開『リロ&スティッチ』です。

 両親を事故で亡くした少女リロ(マイア・ケアロハ)と姉のナニ(シドニー・エリザベス・アグドン)。一人でリロを育てようと奮闘するナニですが、失敗ばかり。このままだと離れ離れになってしまう・・・そんな時に二人の前に現れたのは暴れん坊のエイリアン。スティッチと名付けられ姉妹と共に生活することになるのだけれど、スティッチは行く先々でハプニングを巻き起こしていきます。

 もう説明不要なキャラクターなので詳しいことは割愛。とにかくスティッチの可愛さが爆発!アニメーションが実写化された時に、アニメの可愛さをなかなか超えてこないのが世の常なのですが、ふわふわした毛並み、自在に動く耳、イタズラする時のたくらみ笑い、その一挙手一投足全てがたまらない。これが実現した現代のテクノロジーにも感謝!

一足早く公開された全米を始め世界各国で大大ヒット中。スティッチがみんなの心を奪いまくりな訳ですが、その理由はその可愛さだけじゃありません。劇中、しっかりとしたテーマが描かれているからこそ。

 『リロ&スティッチ』のテーマと言えばやっぱり“オハナ(=家族)”。スティッチのイタズラっぷりや暴れん坊トピックが全面に出てはいますが、物語が進むにつれ心動かされるのは“家族のあり方”についてなんですよね。

 両親を亡くし、友だちもいない、心の拠り所は唯一の家族、姉のナニだけというリロ。幼いが故にその悲しみを受け止め切れていないその心情は大人だからこそ組み止められる一面もあり、スティッチとの出会いで寂しん坊同士、自然と互いがかけがえのない存在になっていく様は実写の方がよりリアルに感じられます。たとえ血の繋がりがなくたって家族のような関係性は成立するし、お互いが補完し合って、寄り添う繋がりって昨今、どんどん求められている(認められてきた)からかもしれません。

 一方で“家族”というだけで全てを背負う必要もない、という点までも深掘りしてきたのが本作。自身もまだ妹を養える状況にはいないナニが自分のことは二の次に、たった一人の妹のために頑張る姿は泣けてきます。劇中ではそんなナニのために大人たち(福祉局や隣人)が手を差し伸べるんですがそういったナニの直面する問題がしっかりと(アニメ版以上に)組み込まれているんです。

 姉妹の辛い境遇をファミリー映画でもあるからと表面的に描くのではなく、子供たちでも理解できるようにきちんと表現しているから物語全体に説得力も生まれ、また今の時代に沿ったエンディングも用意されていて、そういう作り手たちの誠実さがこの映画をただ“スティッチが可愛い―”だけで終わらない作品に押し上げていると思います。

 そんな気付きがありつつも、映画自体はとっても楽しく、リロ、ナニ、スティッチが“オハナ”になっていく過程はとっても感動的。そう今回のスティッチは泣けるんです。期待してもらって間違いなし。と、言う訳で映画館だけでなく、イクスピアリ全体で『リロ&スティッチ』推しまくり!!映画だけでなくイクスピアリ内の色んな場所でイタズラしているスティッチを探して楽しんでくだいね。

By.M