ちょっとおセンチな風が吹く秋になりました。一年で今ぐらいの季節が一番大好きな女住人Mです。
今回は「毎日が同じ日の繰り返しだな」なんて思っている方にこそご覧頂きたい映画
『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』をご紹介します。
本作は21歳の誕生日に父親(ビル・ナイ)に「一家に生まれた男たちにだけタイムトラベルの能力がある」と知らされた青年ティムくん(ドーナル・グリーソン)の物語です。ティムくんは両親と妹、そして伯父との5人家族。ちょっと風変わりな家族だけれど、とても仲良し。そんな環境で育ったティムくんなのでちょっとサエない感じであるもの、いいヤツ感には溢れています。なので父親に「タイムトラベルが使えるぞ!」と言われてもそれを悪事に使う訳ではなく、「恋人がほしい!」と言うこの年齢にはありがちなとてもささやかな、でもある意味重大な願望のために、この能力を使います。でも、その能力をもってしてもなかなか思うように運べず失恋もしてしまうティムくんがまた好感度高し。ちょっと頼りなさげではあるのですが、映画を観ているうちにどんどん彼を応援したくなります。
(ティムを演じたドーナル・グリーソンは「スター・ウォーズ:エピソード7」の主要キャストとして出演が決定!)
そしてティムくんはロンドンでの一人暮らしを初めてからメアリー(レイチェル・マクアダムス)と出会い「今度こそは!」といろいろ奮闘するのですが、おぼこいティムくんとメアリーの恋愛はタイムトラベル能力があっても時にギクシャク、失敗も重ねつつ進行していきます。それがまた愛らしく、見ていてほのぼのしちゃうのですが、実はこの映画の良さは特別な力を持った少年の淡い恋愛模様が描かれるところだけでなく、この映画がLOVEに始まる物語でありつつも、行きつく先がLIFE(人生、生きること)にあるところにあると思います。それが描かれるのはメアリーとの関係性と言うよりティムと父親との関係性により多くが語られます。
タイムトラベラーの師匠である父にいろいろ相談するティムくんですが、結局過去を変えられたとしてもそれで万事うまくいく訳ではなく、失敗したり、思わぬ方向に事が運んだり、結局はなすすべもない事もある、と言うことを知り、今と言うその瞬間、瞬間に出会い、関わり合い、言葉を交わすこの時間の積み重なりがどれだけ大切なものかを父との関係性の中で発見していきます。
しかもティムの父を演じるのがビル・ナイなのでその説得力たるや・・・(ビル・ナイは「ラブ・アクチュアリー」では一発屋のロッカーを演じていましたね。)飄々としていてユーモアもあって知的だけど、可愛げもある。ビル・ナイがティムの父を演じたからこそこの映画に深みが出たのは言うまでもありません。
(枯れたオヤジが流行の兆しを見せている昨今、ビル・ナイはまさに枯れオヤジの魅力満載。)
誰にでも平等に“今”と言う時間がありますが、それが日々単調なものであればある程、「自分の人生は平凡だな、つまらないな」なんて思ってしまうかもしれませんが、でもそんな“今”は一度しかやってこない、それはまさに二度とない瞬間です。それが積み重なっていく今日と言う1日はそれだけでなんとかけがえのない日々!そう思うとどんなささやかと思える毎日も輝ける1日に見えていく。今日という1日が愛おしく思えてきます。そんなことを気付かせてくれるのがこの映画です。
(「ラブ・アクチュアリー」といい、リチャード監督が描く結婚式は他にはない幸せ感溢れるシーンばかり!)
本作の監督・脚本は「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス。彼は「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ノッティングヒルの恋人」の脚本も手がけているイギリス発恋愛映画の巨匠みたいな人なのでこれらの作品が好きだった方はもう迷わずご覧下さい!と自信を持ってオススメ出来る1本です。『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』は9/27(土)からの公開です。
★シネマイクスピアリからのお知らせ★
『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の公開を記念して、売店では2種類のスコーンを販売いたします。
≪スコーン≫ 各330円
◆メープルウォルナッツ
◆チョコチャンク
≪スコーン+ドリンクM+映画オリジナルポストカード≫600円
(映画オリジナルポストカードは数に限りがございます)
ドリンクをオーガニックティーにしていただくことで英国風なひとときを楽しめます♪ 映画と共にお楽しみくださいませ。
By.M
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