ウラシネマイクスピアリブログ

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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

 キアヌ・リーブスと言えば確固たるビジョンを持って仕事に挑み、その一方でスキあらば来日中1人でラーメン屋にでかけてしまう庶民派、でもギャラの多くはチャリティに寄付をしている人格者。そんなキアヌのここ数年のライフワークといえばこの映画でしょう。あのシリーズ第4弾がついに公開、9/22(金)公開『ジョン・ウィック:コンセクエンス』です。

 裏社会の掟を破り、全てを牛耳る組織=主席連合から粛清され世界中の殺し屋から追われることになった伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。なんとかその包囲網を生き延びてきたが自由を求めジョンは主席連合と決着をつけることを決意します。

 「俺、もう自由になりたい!」とジョンは宣言しますが、裏社会は簡単に「はい、そうですか」とはいかないもの。しかも組織勢力拡大をもくろむ高官グラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)がジョンの命を狙い、彼と旧友でもある暗殺者ケイン(ドニー・イェン)を脅し、刺客として引き入れてしまいます。ジョンは大阪・コンチネンタルホテルの支配人にして友人シマヅ(真田広之)に助けを乞うべく大阪に向かいます。

 はい、注目!“ジョン・ウィック”シリーズの監督と言えば、『マトリックス』でキアヌのスタントダブルを担当していたチャド・スタエルスキ。そう、スタントマンとしてトップレベルの彼がアクションによる、アクションのために作るこの映画にドニー・イェンと我らがヒロユキ・サナダ、そしてキアヌが三つ巴で揃い踏みしちゃいました!この3人がスクリーンで対峙することを想像するだけで好事家の皆さんならご飯が10杯いただけるでしょう。

しかも宇宙最強のドニーさんは『ローグ・ワン』でのチアルート役を彷彿する盲目の暗殺者を演じます。なぜハリウッドはドニーさんを盲目役にしたがるのかはさておき、アジア二大最強スターである二人へのスタエルスキ監督とキアヌの最大限のリスペクトをビシビシ感じる格闘シーンに何度「ありがとう」を伝えても充分ということはありません。もう、前半からボルテージは上がりっぱなしです。

 これまでも銃で戦うガン・フー、車で戦うカー・フー、犬と戦うドッグ・フーと様々な戦闘シーンを生み出した本シリーズはさらに最新作でアクションの可能性を広げ、2時間50分という長尺な本編の中で「これでもか、これでもか!」という持久力が伴うアクションが繰り広げられ息つく暇なしとはこのこと。長尺映画でトイレタイムを心配しがちな私の友人も「それを考える余地すら与えられなかった」と申しておりました。

 特に凱旋門前で繰り広げられるアクション。車に何度も轢かれ、何発も撃たれるジョン・ウィックに、なぜ車は止まらない?なぜもっと安全地帯で戦わない?あのスーツは防弾チョッキ以上の何かなのか?などなど疑問が一瞬過っても、倒れても、倒れてもなお立ち上がるその不撓不屈なジョンの姿にただただ胸アツ!観ているこっちも何かをやり遂げている気分にさえなります。

 そしてそれは後半の大階段を舞台にしたシーンでもっと、どエライことになります。『ミッション:インポッシブル~』でのトム・クルーズのスタントを観た時も「大概だぜ」と思いましたが、本作でのキアヌは別のベクトルでどうかしてました!!

 でもそのどうかしてる感、いっちゃってる感はキアヌとスタエルスキ監督がこのシリーズに捧げたアクション愛そのものなんだと思うと、ちょっと泣けてきたーー。全力で何かを追い続ける姿って素敵なんだもの。「この映画、最高だったか?」とジョンに問われれば、口数少ない彼に倣って「Yeah・・」と誰もがサムズアップしたくなること間違いなしです!

「過去作観てないし、前作忘れたし・・・」という方のために本編前に2分でわかる「ジョン・ウィック」シリーズ復習動画が流れますので無問題!

By.M