皆さん、こんにちは。この時期になると、もし自分がオスカーを受賞したらスピーチで何を言おうと妄想する女住人Mです。
さて、先日アカデミー賞ノミネート作品やゴールデングローブ賞の発表がありましたが、ある一人の男優がまた悔しい思いをしていました。彼の名前はレオナルド・ディカプリオ。
「ギルバード・グレイプ」や「タイタニック」をタイムリーに見てきた世代としては彼が大人へと変貌する様に未だに違和感がありますが、そんなディカプも今年38歳。ひょえ〜。アイドル的存在だった彼も演技派俳優としてオスカー主演男優も2度ノミネートされ着実にキャリアUPしてきました。そんな彼がオスカー主演男優賞をモノにすべく選んだ作品がクリント・イーストウッド監督の『J・エドガー』でした。
FBI初代長官、J・エドガー・フーバー。約50年もの間、国を守る事に生涯を捧げてきた男。でも彼は国家のあらゆる秘密を把握していた為、その存在は大統領たちからも恐れられていました。そんな彼が作り上げたFBIとはいったいどんな組織だったのか?果たしてその裏側とは・・・といったことが本筋で描かれていそうな『J・エドガー』ですが、イーストウッドがそんなわかりやすい映画を撮る訳もなく、本質は国家の秘密より、自身の秘密に囚われたJ・エドガーを描きます。
彼は小さい頃から母親の寵愛を一身に受けて育っています。世間に認められ、地位、名誉ある人間になることが一番の人としての道。母親の愛情は時にエドガーを追い詰め、次第と彼はある秘密を抱えていることに苦悩します。
それはイケメン王子・アーミー・ハマー演じる側近クライド・ドルソンへの想いです。自分の秘密がどれだけ自分を脅かすか知っている彼にとってクライドの存在は抑圧する想いでしかありません。しかし、ある日それが放たれる時が来るのです。それはどんな人に対しても威圧的で他者を常に論破するほどの雄弁さを持つJ・エドガーとは思えない不器用な言葉でもって語られます。なんなんだ、このピュアっぷりは!!!!
もう、下手なラブストーリーより猛烈に泣けます。
イーストウッドのもとでJ・エドガーという複雑な人間を演じ切ったディカプはこの役に賭けていたと思います。今回はアカデミー賞主演男優にノミネートすらされませんでしたが・・・。
でも、きっと次回作、バズ・ラーマン監督「グレイト・ギャッツビー」の演技で再びリベンジしてくれると思います。
オスカーのノミネートには漏れましたが充分見応えある『J・エドガー』はシネマイクスピアリにて1/28(土)より公開中です!
By.M
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