今年のアカデミー賞の予想は24部門中13部門が当たりだった女住人Mです。
さて、今回は4/7(土)公開の「アーティスト」と並んでアカデミー賞最多5部門を受賞したマーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』をご紹介します。
物語は1930年のパリが舞台。主人公のヒューゴは唯一の家族である時計職人のお父さんを亡くし、駅の時計台に隠れ住んでいる孤独な少年です。そんなヒューゴの友だちはお父さんが残した壊れたままの“機械人形”。お父さんも修理出来なかった“機械人形”に命を宿すために駅内にあるおもちゃ屋の部品を盗んでいたヒューゴでしたがある日、店主のパパ・ジョルジュにそれが見つかり、修理方法が書かれたお父さんのノートを取られてしまいます。
ノートを返してもらうために、これまでに盗んだ部品代を弁償するためにパパ・ジョルジュの元で働くことになるヒューゴはパパ・ジョルジュに育てられているイザベルとも出会います。そしてこの出会いが“機械人形”の秘密を紐解き、別の秘密をも見出すことになるのです。
本作は「マーティン・スコセッシ最高傑作!!」とも称されている作品ですが、これまでのスコセッシ映画とはイメージが異なるファンタジーものですし、しかも3D、「スコセッシも3Dブームに乗っかったか?」と映画を見るまでは懐疑的だった私でしたが、映画を見てガッテンし、遥かNYの方角に向かって「すまんかった」と詫びることとなりました。
(わいがスコセッシやで〜)
先ずは3Dブームに乗っただけではない、その出来映えはアカデミー賞の数々の受賞結果からもわかります。もう冒頭から「うわ〜」と声を上げてしまう程の素敵な映像。しかも技術だけではありません。これまで、「トランスフォーマー」のように映像を楽しむための表現方法として3Dが必要だった映画はありましたが、本作は物語を語る上で3Dと言う表現が必要だった、そんな新しい視点からの3D映画なのです。
映画はもともと“動く絵”としてリュミエール兄弟によって発明されその後、手品師でもあったジョルジュ・メリアスが“動く絵”にストーリーを持たせ、カット割を使用するなど新しい技術方法を取り入れ【世界初の職業監督】として今日の映画の原型を作りました。
本作ではその映画の歴史を振り返りながら、映画製作の舞台から姿を消してしまうジョルジュ・メリアスの隠された晩年の秘密をも追っていきます。昔、人々が“動く絵”から“ストーリーを持つ映画”と出会い、サイレント、モノクロの映画が、トーキー、カラーの映画になり、そして2Dの映画が3Dになっていく。『ヒューゴ』と言う物語を楽しみながら、その映画の大きな歴史のうねりまで体感することになります。
それを感じた時、映画を見て幸せになった記憶が走馬灯のように甦ってきました。
(みんな大好き「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツちゃんも出てるよ)
映画の魅力、そして映画が大好きなスコセッシの溢れる映画愛を是非スクリーンで3Dでご堪能下さい♪
『ヒューゴの不思議な発明』はシネマイクスピアリにて3/1(木)より公開中です。
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