『ファミリー・ツリー』

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 ハワイに行っても決してマリンスポーツなどしない、でもハワイ大好き☆女住人Mです。
今回ご紹介するのは、そのハワイが舞台。本年度アカデミー賞脚色賞受賞、作品賞・監督賞・主演男優賞・編集賞にもノミネートされた『ファミリー・ツリー』です。

 主演はジョージ・クルーニー(a.k.a兄貴)。華々しい場でいつも隣に美女を従え、でも毎年連れている女性が違う男、それがジョージ。それじゃあ、チャラ男か?と言われればお父さんと一緒に政治活動で逮捕されるインテリ男、それがジョージ。演技も出来れば監督業も出来る、大統領役を演じたかと思うと、オバマ大統領に「選挙運動のためのパーティーで人集めたいから手伝って!」と言われる男、それがジョージ。
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(そう、何でも持っている男、それがオレさっ)

 そんな完璧ジョージが今回演じたのはハワイ在住の弁護士のマット・キング。優雅に暮らしていたと思われた主人公マットの人生が妻の事故によって、実はトホホな人生だったことが浮き彫りになると言う物語です。
仕事一筋だったマットはこれまで家族のことなど一切省みず生活していたので、奥さんがいないと何も出来ません。奥さんが事故でこん睡状態になったことで次女は情緒不安定になり、「子供が考えてることなんか、わかるか〜」とオロオロするだけのジョージ。反抗期の長女からは奥さんの浮気の事実を聞かされるは、そんな長女の彼氏はとんでもないチャラ男で「どいつもこいつも何なんだ〜!」とオロオロするだけのジョージ。
加えてマットは祖先(なんとカメハメハ大王!)から受け継いだ広大な土地の売却問題も抱えており、一族からのプレッシャーを受けまくり。で、またまたオロオロするだけのジョージ。いつもクールにSEXYに決めているジョージがこの映画ではず〜っと、オロオロ、オロオロしっ放しで普段のイメージとのギャップがあり過ぎて笑うしかありません。
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(ジョージのオロオロに悲哀萌え〜)

 でも平穏だった日常に突如ふってきた問題はマットがこれまでずっと逃げてきたもの。彼はこれを機にその問題と直面することで、家族との繋がり、これまで祖先から受け継がれてきた“ファミリー・ツリー(家族の系譜)”と言う関係性について今一度、考え直す岐路に立つのです。
そして最初はオロオロするだけのジョージを笑っていた私も、疎遠になっている両親とのことや親戚付き合いのことなど、マットを見ながらも自分のこともついつい考えてしまうのでした。そんな自分の日常に置き換えるとちょっとブルーになることも本作ではコミカルに描き、でも登場人物のふとした仕草や表情、セリフがグっと胸に刺さって、ジーン。まさに“人生は泣き笑い”であると気付かせてくれます。
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(失くしたものはまた取り戻せば良いさっ)

 CGなし、爆破シーンなし。宇宙人も極悪非道なサイコ野郎も出てきません。ハリウッドお得意のド派手な展開は一切ありません。自分の周りでも起きそうな何てことない日常を描いただけなのに、こんなにドラマチックで胸を打たれるなんて・・・・つうことは、私たちの日常って実はそういう事に溢れているの?な〜んて思わせてくれる映画が本作です。
映画を見終わって、私は本当に幸せな気持ちでいっぱいになりました。この出会い、映画の神様に感謝せずにはいられない、そんな『ファミリー・ツリー』は5/18(金)からシネマイクスピアリにて公開です。

By.M
(c)2011 Twentieth Century Fox

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2015年9月

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