『エリジウム』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。
今回は9/20(土)公開の『エリジウム』をご紹介します。
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 本作を紹介する時に必ず枕詞として付くのが「第9地区」の監督の最新作!という文章。
そう、本作は長編デビュー作にしてアカデミー賞作品賞ほか4部門でノミネートとなった「第9地区」の監督ニール・ブロムカンプの新作映画です。本作を語る上で「第9地区」と彼のバックグラウンド情報は欠かせません。
 ブロムカンプ監督は南アフリカ、ヨハネスブルグ生まれの33歳。前作の「第9地区」は彼の故郷を舞台に突如現れたエーリアンが難民となり、それを抑圧していく人間との対立や関わりを描いた作品で、それは彼の故郷で起きていたアパルトヘイトの状況をエーリアンと人間に置き換えて描いた作品でした。エーリアンVS人間を描いただけのただのSFアクション映画と思いきや、その根幹にあるメッセージを知った時の戦慄たるや!30歳にしてそんな映画を作り上げたブロムカンプ監督の次回作はどうしても期待値が上がる訳ですが、その期待に応えてくれる、「第9地区」ネクストステージ!と言えるのが本作です。
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 舞台は2154年。人類は宇宙空間に浮かぶスペースコロニー“エリジウム”に住む一握りの富裕層とスラム化した地球に住む貧困層の2つに分けられています。地球に住むマックス(マット・デイモン)は過酷な労働を強いられている時に事故で大量の照射線を浴び余命5日を宣告。唯一の希望は“エリジウム”にある最先端医療ポッドでの治療。マックスは不法入国を請け負う闇商人から依頼されるある任務と引き換えに“エリジウム”に向かう決意をします・・・・

 この映画はブロムカンプ監督がメキシコに行った時に見た風景(山の奥はスラム化していたのに、そこから見える先の風景は高級住宅街だった・・・)から着想を得ているそうですが、まさに貧困で苦しむ人々がいながらも社会は一握りの富裕層が全てを支配しているという現実社会を地球と地上の“エリジウム”に置き替えて描いています。生まれた環境にアパルトヘイトがあり、格差社会の光景を目の当たりにして暮らしていた監督にとっては、描くテーマが今回もこういった社会派なメッセージになることは納得です。でもそういった硬派なテーマ性がありながらも出来上がる作品は誰でも楽しめるエンタメ映画にきっちりなっているのが凄い!それは前作から一貫して言えることです。
 「第9地区」でその手腕を見せつけ、前作より3倍も製作費がUP!Noスターだったキャストも今回は主演にマット・デイモン、エリジウム”の安全を守る冷徹な防衛省長官役としてジョディ・フォスターと言う看板役者が登場です。

 そしてやはり主演のマット・デイモンの演技が光ります。「ボーン」シリーズでアクションスターとしてもその地位を確立し、ハーヴァード大なだけあって知的センスにも溢れるマット・デイモン。マットはどこか地味な佇まいがありながらも、どんな役を演じてもその役に溶け込み、その演技に説得力があって本当に素晴らしい!!と日頃から思っているのですが、本作を観てまたマットを見直しました。(なぜに上から目線・・・)児童養護施設で育ち、社会の底辺でただその日暮らしのように生きていた男が、事故をきっかけに“エリジウム”に降り立ち、ヒーローになっていく様を演じるマットは本当に良い役者だ!!!サイコーだ!
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(LAプレミアでの3ショット。「第9地区」で観客の心を奪ったシャールト・コプリーも本作では悪役で登場!(写真右)
今回は悪役としておいしい、おいし過ぎる役を演じていますが、相変わらず訛ってて彼の英語は聞き取れません・笑)

 そして本作のエンディングはブロムカンプ監督ならではの着地点。是非、スクリーンでご堪能下さい。
ブロムカンプ監督は一発屋じゃなかった!そう断言出来る1本です。

By.M
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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