M(コジレ島の女住人): 2013年10月アーカイブ

『42〜世界を変えた男〜』

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 皆さんこんにちは、中学生時代に週刊ベースボールを購入していたもと西武ファン、女住人Mです。
今回ご紹介する作品はあるメジャーリーガーが主人公ですが、野球に全く興味がない方にも是非観て頂きたい1本、ご覧になればきっと心を打たれるに違いない!と確信出来る11/1(金)公開の『42〜世界を変えた男〜』です。
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 1947年、白人だけで構成されていた400人のメジャーリーガーで初めてアフリカ系黒人選手が誕生します。彼の名前はジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)、背番号“42”。そんな彼を待ちうけていたのは、敵チームだけでなく、観客、マスコミ、審判、警察官、そしてチームメイトからの差別でした。しかし、彼は自分にメジャーリーガーとしての扉を開いてくれた球団GMブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)との約束を胸に、ただ黙々とプレーを続けていきます。それは次第と彼の周りだけでなく、世界を変える一歩となっていきます・・・

 ほら、もうこのあらすじだけで胸熱!この当時はアメリカでもまだ人種分離法あった時代で公民権運動がスタートしたのもジャッキーがメジャーリーガーになってまだ後の話です。ジャッキーはプレイヤーとしては申し分がない程の才能を持ち合わせていましたが、何せ時代が時代です。ブランチGMはジャッキーに「どんな仕打ちを受けようとも絶対怒るな!」と約束させ、ジャッキーはそれをひたすら守りますが、彼が経験する差別は本当に酷いものばかりです。百歩譲って敵チーム、対戦相手のファンなどのヤジを我慢できたとしましょう。でも公正さを有する審判やさらにチームメイトまでもがジャッキーに心ない言葉を吐き、行動を取ります。もう映画を観ていると「ここまでして耐えなきゃいけないの?たった一人でここまでして・・」と本当に辛く悲しい気持ちになります。それでもジャッキーはブランチGMとの約束を胸にグッと我慢し耐え続けます。
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 そんなジャッキーも一度はブランチGMに「やられっぱなしの勇気のない人間になれと言うのか?」と問います。ここで返されるブランチGMの一言は♪深イイ〜深イイ〜、深イイ〜ボタンの連打です。ハリソン・フォード扮するブランチGMは飄々としていて、どこかタヌキおやじっぽくはあるのですが、彼なくしてこの一歩なし、と言える程の存在となります。映画の冒頭では「この界隈に黒人が増えてきたから金儲けだ」と黒人選手を迎えることを考えた的な発言をしているブランチGMですが、実はここに至った若かりしき頃の苦い経験が語られるあるシーンが・・・・これがまた深イイ〜、深イイ〜、深イイ〜連打で、ホロリと涙です。主役は確かにジャッキーなんですが、めっきりおじいちゃんなハリソン・フォードがここに来て最高の役を得て、最高の演技をしているのです。
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(やっぱり、ハン・ソロは違うね!)

 ジャッキーの背番号“42”は全球団共通の永久欠番。ジャッキーがメジャーリーガーとして契約した4月15日は毎年メジャーリーグの全選手が“42”の背番号を付けてプレイをします。これは国籍や人種が違えどもみんな同じだ、と言う象徴です。日本からもたくさんの選手がメジャーリーグでプレイをしていますが、それもジャッキー・ロビンソンの始めの一歩があったからこその光景なんだと思うと、またまた胸熱ですね!この映画を観れば爽やかな感動の涙が頬を伝うこと間違いなしです!
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追記、
その人が変わって周りが変わったんじゃなく、その人がいることで周りが変わる、これって“あまちゃん”じゃないか!
と言う訳で本作は“あまちゃん”イズム満載の映画でもあります。“あまちゃん”ファンの方も必見です!?

By.M
(C)2013 LEGEMDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

『グランド・イリュージョン』

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 皆さんこんにちは、好きなマジシャンは北見マキ、女住人Mです。Now you see me, now you don’t(見えますね、はい消えた!)と言うのはマジシャンの常套句ですが、今回おススメする作品の原題は「Now you see me」。
4人のイリュージョニストが仕掛けるトリックをあなたは見破れるか?!10/25(金)公開の『グランド・イリュージョン』をご紹介します。
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 主人公はアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)をリーダーとする4人組のイリュージョニスト・チーム“フォー・ホースメン”。彼らはラスベガスでショーをしながらパリの銀行を襲い、320万ユーロを消失させ、会場に札束を降らせるイリュージョンをやってみせます。FBIは特別捜査官ディラン(マーク・ラファロ)の指揮のもとインターポールの捜査官アルマ(メラニー・ロラン)と共に捜査を始めますが、全く歯が立ちません。さらに第2のショーをニューオリンズで仕掛ける“フォー・ホースメン”。彼らはどうやってお金を盗んだのか?真の目的は何なのか?やがて彼らはニューヨークでのラストショーを予告します。

 本作は“マジック”と言う誰もが好奇心をそそられるモチーフをフックに描かれた華麗にして奇抜なエンターテインメント映画!第1のショーから本当に目の前でイリュージョンが繰り広げられているように感じる光の演出やスピード感溢れる映像に一気にこの映画の世界に没入しちゃうこと間違いなし。観ている側から「え〜これどうやったの?」と疑問はフツフツ湧いてきますが、そこで登場するのがもとマジシャンで今はマジックの種明かしをすることを生業としているサディアス(モーガン・フリーマン)。捜査を協力するテイで登場する彼がトリックの一つ一つを暴いていく様もドキドキしちゃいます。そして“フォー・ホースメン”は単にお金儲けのためにこんなことをやっているのかと言うとどうも真の目的があり、5人目のイリュージョニストが存在するのでは?と仄めかされ、物語はさらにミステリアスな展開になります。
 
 この映画の魅力はイリュージョンでもって巨大犯罪が繰り広げると言うど派手な「オーシャンズ11」的ストーリーラインですが、それを演じる役者陣が映画ファンの心をさらにくすぐります。特にリーダーのアトラスを演じるジェシー・アイゼンバーグ。あの早口でまくしたてる独特の彼のトークがこの役にもピッタリ!FBI捜査官相手に反抗的で挑戦的な態度を取る感じとか、本当にハマリ役です。しかもなんか今回のジェシーはかっちょいい。いつものクルクル・ヘアーがちょっとストレートになっているだけでこんなに男前度が上がるなんて・・・。
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(「ソーシャル・ネットワーク」でマーク・ザッカーバッグを演じた彼ですよ!)

 この他に“フォー・ホースメン”のメンバーとしてウディ・ハレルソン、アイラ・フィッシャーそしてデイヴ・フランコ(お兄さんは「オズ はじまりの戦い」のジェイムズ・フランコ)と毛色が違うキャストが集結し、そのアンサンブルがまた良い!加えて、彼らのスポンサーであり富豪のトレスラーをマイケル・ケインが演じ、モーガン・フリーマンとマイケル・ケインが一緒に出演と言う「ダークナイト」シリーズのゴールデン・おじいちゃんコンビ復活です。映画ファンにはたまりませんね。
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(脱出マジックが得意な紅一点のヘンリーを演じるのは「お買い物中毒な私!」のアイラ・フィッシャー)

 そして個人的にはFBI特別捜査官役ディラン役のマーク・ラファロがたまらん!“フォー・ホースメン”に振り回されるだけ振り回されるトホホな役を彼がやると何だか愛しさ倍増なんです。しかも相方のメラニー・ロランちゃん扮するインターポール捜査官にも最初は食ってかかった態度を取りながらもロランちゃんの方が一枚上なので、それでまたトホホ展開。ラファロがトホホで5億点ですね。
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(トホホな捜査官ディランを演じるマーク・ラファロ(左))

 とにかく、キャストが良いし、イリュージョンでもって警察を、悪いヤツを欺こうとする“フォー・ホースメン”のやり口は本当に爽快で、誰でも楽しめるエンタメ映画です♪
映画を観ながらマジックの種あかしを考えたり、彼らを手引きする5人目のイリュージョニストは一体誰なんだ?と推測したり、映画を観終わってからももう1度いろいろ確認したくなる、なんとも中毒性のある1本ですよ!

By.M
(C) 2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

『ダイアナ』

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 10月だと言うのに暑さが戻って何ですかね?まんまと体調を崩した女住人Mです。
さて、本来秋の気配が充満するこの季節はどことなく寂しい気持ちになってしまうものですよね。残念ながらそれは来週以降にお預けっぽいですが、今回はこれからのおセンチな季節にぴったりな作品、10/18(金)公開の『ダイアナ』をご紹介します。
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 本作はダイアナがチャールズ皇太子と別居し、二人の王子とも離れ暮らしていた1995年から1997年8月31日に亡くなる迄の2年間に焦点が当てられています。ダイアナの最期に一緒だったドディ・アルファイドが最後の恋人と言われていますが本作ではその前に付き合っていたハスナットとの恋愛が主軸です。(そんな方がいたんですね。)
 ご存知の通り、民間から王室入りしたダイアナはその美貌と伝統に囚われない生き方で国民の支持を得、それはイギリス国内だけでなく、世界中、特に日本でも絶大なる人気を得ていました。世界中の人々から愛されるダイアナでしたが、私生活では夫は36年間も不倫をし、別居のため子供たちとも滅多に会えず、孤独の中にいました。そんな中でのハスナットとの出会いはダイアナのこれまでの人生を一変させます。

(ハスナットを演じるのはTVドラマ「LOST」のサイード役でお馴染のナヴィーン・アンドリュース。)

この映画ではダイアナがプリンセス・ダイアナである前にどれほどただ一人の人間でありたいと願っていたかが印象的に描かれます。ハスナットと会いたくて、カツラを被ってパパラッチを欺いて待ち合わせ場所に登場したり、彼のために慣れない食事を作ったり、駄々をこねたりする様子は本当にどこにでもいる恋する普通の乙女なのです。そりゃダイアナさんの毎日は一般人では想像出来ないほどプレッシャーの日々です。だからありのままの自分を無条件に受け止めてくれるハスナットは白馬に乗った王子様だったんでしょうね。

 でも、注目度の高いダイアナをパパラッチが放っておく訳はなく、ハスナットの密会もすぐにスクープ記事となるのです。そこまでのハスナットは器の大きな大人だったのですが、やはり実際スキャンダルの中心人物になってしまうと、「こんなハズじゃなかったよ。ちょっと困るよ。」となりますが、まぁ致し方ない感は否めません。ただ、ダイアナがドディ氏と一緒に事故死してしまうに至る理由にハスナットが深く関係していたかも・・・となると、それは運命のいたずらとしか言えません。世界中の多くの人から愛されていたけれど、たった一人の人の愛だけは得られない・・・悲しいことこの上ないです。ダイアナが多くの人の心を惹きつけたのは彼女が完璧な人間だったからではなく、人間としてのほつれがあったからこそ、その危うさ、不完全さを保ちながら意地らしいほど闘っていた様が感じられたからなのかな?とこの映画を観て思ったりもしますが、描かれていることのどれだけが事実であるかを判断するのは今の段階ではまだ難しいですね。何れにせよ題材としてなかなかチャレンジングなのでいろいろな見方が出来る気がします。
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(人道支援活動を積極的に行っていたダイアナの心を支えていたのもハスナットだった!?)

 ただ、ダイアナと言う大役を受けたナオミ・ワッツに関しては流石だね、と意見は一致するでしょう。これまで2度もアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている彼女ですら、この大役のオファーは2度断ったらしいです。彼女にとってもチャレンジングな作品だったんでしょうね。純粋に愛を求めるダイアナをあの独特の眼差しで表現したナオミ・ワッツは上手い!としか言いようがありません。
この映画を観るとTVの報道から受けていたダイアナさんとは全く違った印象を受けると思うので、是非、スクリーンでご堪能下さい♪

By.M
(C)2013 Caught in Flight Films Limited.All Rights Reserved

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