夏になると「時をかける少女」を見たくなる女住人Mです。
今回ご紹介するのは今や日本ならず世界でも注目を浴びているアニメーション映画監督・細田守さんの最新作、7/21(土)より公開中の『おおかみこどもの雨と雪』です。
物語は主人公の花(声の出演:宮?アあおい)が“おおかみおとこ”(声の出演:大沢たかお)と出会い「恋愛、結婚、出産、育児」を経験して成長する姿と人間とおおかみの二つの顔をもつ“おおかみこども”の姉弟・雨と雪が成長し、自分の生きる道を見つける「自立の過程」を描きます。
結婚、出産、育児と残念ながらどれも未経験な私ですが、相変わらず疾走感、躍動感に溢れる本作にやられまくりました・・・。「時かけ」「サマーウォーズ」をご覧になっている方なら賛同して頂けると思うのですが、細田さんの絵にはこの躍動感を猛烈に感じさせるシーンが毎回登場し、その表現力に圧倒されます。私はアニメのテクニックや手法については全く知識がないのですが、そんな無知な私でも、説明抜きに感動してしまうこの絵、このシーンは何なんだ!と毎回たまげています。これはきっと普遍的な何かが心を動かしているんだと思うのです。
細田作品は言葉では説明出来ないけど凄いことだけがすご〜くわかるんです。本作でも細田印の多幸感に溢れ、そのほとばしる生命力を表現したシーンが満載です!こんな私が感動に打ちひしがれているので、きっと結婚、出産、育児、どれかを経験している方が見たらとんでもないんじゃないんでしょうか。
(雨ちゃんも雪ちゃんも、子供らしい子供で可愛い〜の〜)
そして、もう1つのテーマ、子供の成長は誰しもが通って来た道。雨と雪は男女の違い、姉、弟という立場の違い、性格の違いで全く違う成長の過程を通ります。“おおかみこども”と言う非現実的な存在の二人が成長することでぶち当たる選択の1つ1つは我らがこれまでしてきた選択と何ら変わるものではなく、そういったものを選んで、決めて、行動することがすなわち成長、そして自立することなんだ、と気付かされます。“おおかみこども”である雨と雪の選択、そして二人の生き方を認めようとする花の選択。生き辛くなった今の時代は思いのままに何かを選ぶことが難しいのかもしれません。この映画のように物事はそううまくは進んでいかないかもしれません。それでも選ぶこと、決めること、行動することを重ねて、生きていくことを諦めない自分でいたいと思ったのでした。
細田さんの作品には“生きることを肯定”している強さを感じます。生きることの辛さ、難しさの嘆きから生まれる生命の強さではなく、もともと生命がもつパワーを信じ、それを全面的に肯定することで逞しく生きる。どうせ同じ時間を生きるのなら、出来るだけいろんなものを「ありだね!」と肯定して生きたい私は本作でまたまた細田作品の大ファンになりました!
シネマイクスピアリでは8/12(日)に細田監督のティーチイン付き上映会も決定しましたので、詳細は劇場HPで引き続き、ご確認下さい!
By.M
(c)「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会