話題の新作映画: 2014年8月アーカイブ

『リトル・フォレスト 夏・秋』

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 皆さんこんにちは、田舎度合を競うと全国で2本指に数えられる県の出身、女住人Mです。
今回ご紹介する作品は私の田舎と同じように自然豊かな地、東北のとある村を舞台にした映画『リトル・フォレスト 夏・秋』です。
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 主人公のいち子(橋本愛)は東北地方の小さな集落、小森で一人暮らしをしています。近くにスーパーもコンビニもない小森での生活はほぼ自給自足。生きるために食べる、そして食べるために自分で作る。全てがひとつながりになったシンプルな暮らしの中でいち子が自分の生き方を見つめ直す物語です。
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(若いけれどたくさんの映画・ドラマに出演している橋本愛ちゃん。そんな彼女のベスト・アクトが本作です!<私、調べ>)

 さて、世の中的に一時期“スローフード”、“スローライフ”なんて言葉ももてはやされ、ポージングだけの「ビバ!田舎での贅沢な暮らし」みたいな風潮がブームになりました。でも田舎育ちの私は企画だけが先行するようなこのブームを「田舎なめんなよ」とどこか苦々しい思いで見ていました。やっぱり田舎で暮らすってことはとっても大変な訳です。多分、未だにうちの田舎には半径10キロ圏内にコンビニはありません。この季節、夜になれば虫が鳴いて風流だわ〜と思う余裕もなく、明かりにむらがってくる蛾やらアブやらと格闘。冬になればとんでもなく雪が降り積もり一晩にして我が家が陸の孤島化してしまう。もう不便極まりない訳です。田舎の暮らしは決してスローなんかじゃなくむしろ“ハードなライフ”なんです。

そんな思いがある私は「格好だけ取り繕ってたら承知しないわよ」と思いながらこの映画に臨んだのですが、終わってみれば本作、もうとっても素敵な映画でした。映画の始め、いち子が抜いた雑草が次の日には芽を生やしているのを見て「ぞっとする」と表現します。このシチュエーションを「草木はやっぱり生命力が逞しいのね」とか言われたらそれはそうなんですが、生活をする人にとってみれば「ぞっとする」ものでもあるのです。自然はそう優しいものなんかじゃないんです。
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その一方で自然が与えてくれる恵みにいち子は敏感です。秋に実を付ける赤いグミの木。苦いその実はそのままだと食べても美味しくはないのでいち子はジャムにします。実がなっても誰も取ってくれないから地面に落ちて朽ちるだけのグミの実。それを毎年繰り返すグミの木。グミの木のそんな成長のサイクルを見ていち子は「つみかさねたことはみんな無駄だった。そんなのって寂しいわね」とぼやきながらも、ジャムにしたことで美味しく食べられるようになったグミの実をバゲットに付けて頬張る。そしていち子はグミの木の成長と自分の成長を重ねてみる・・・
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 劇中で多くは語られませんが、都会に一度は住んでいたいち子が一人田舎の小森に戻り、逃げ出した人生と向き合うようになっていく。小森の生活の中で何かを見付けていく。生きる=食べる=作る、が上っ面でなく、丁寧に誠実に語られる本作は、ちょっと疲れたな〜と感じる人の心をきっと豊かにしてくれると思います。
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 食事を食べる時に私たちはその食材を作ってくれた人、食事自体を作ってくれた人に対して「いただきます」と言いますが、きゅうり、青菜、さつまいも、岩魚、鴨と様々な自然の恵みを食べて毎日を生きるいち子が「いただきます」を言うのを見て、その言葉には「命、いただきます」と言うことでもあったのだな、と今さらながらに感じたのでした。
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 いち子を演じる橋本愛ちゃんは「あまちゃん」で能年ちゃんと並んで人気者となりました。彼女はまだ18歳なのですが、実際料理もみっちり練習し、習得し、この映画の中でしっかりいち子になっているのがとっても印象的でした。『リトル・フォレスト夏・秋』は8/30(土)からの公開です。夏編を1時間、秋編を1時間の2本立てで1本の映画として上映すると言うちょっと変わった形態で、2/14(土)から「冬・春」が上映されます。ひと足先にこの映画を観させて貰った私は今からそちらの公開も楽しみです!

(C)「リトル・フォレスト」製作委員会
By.M

 皆さんこんちは、女住人Mです。昨年フランス映画「最強のふたり」が大ヒットしたのも記憶に新しいところですが、フランスからまた素敵な映画が届きました!と言う訳で今回ご紹介するのは8/29(金)公開の『グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-』です。
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 本作は車いす生活を送る17歳の青年ジュリアン(ファビアン・エロー)が、障がいのある息子と父親が“アイアンマンレース”に出場した新聞記事を見つけ、自身も父親と一緒にチャレンジする、という実話を元にした物語です。
 “アイアンマンレース”とは トライアスロンのなかでももっとも過酷な耐久レースとして知られていて、通常のトライアスロンでは水泳1.5?`、自転車40?`、ランニング10?`に挑むのに対し、“アイアンマンレース”は水泳3.8?`、自転車180?`、ランニング42.195?`とまさに鉄人レース。「ランニングだけでフルマラソンじゃないか!」と運動オンチな私は聞いたそばから「ムリ、ムリ」と全面的降参な構えです。
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監督はパリ・オペラ座のバレリーナを追ったドキュメンタリー映画「エトワール」が日本でもヒットしたニルス・タヴェルニエ。ドキュメンタリー作品の製作で出会った障がいを持つ子供たちの生きるエネルギーに圧倒されて本作を企画したということもあって、車いすで日常を送るジュリアンがとても生き生きと描かれています。本作は周りの協力によって青年が父親とレースに挑戦するだけの話ではなく、青年自身が周りをどんどん変えていく、周りの人の成長も主軸となっていく・・・なんとも素敵な作品です。

 物語は主に父・息子の関係性がメインに語られますが、このお父さんがいわゆる“こじらせ”親父。自身がトライアスロン経験者だったという過去もあってか、ジュリアンの障がいを未だに受け入れられず、息子との対話を避け、自分の感情をどう表現して良いかわからなくなっています。その上、仕事まで無くし一家の主(あるじ)的なプライドも崩れるわ、母親に全てをまかせてるから家に居場所はないわ、その癖、父親としての威厳は持ちたいわ、妻クレールと衝突するわで、もうこじらせ具合はMAXなのです。
そんな中、妻クレールは仕事もして、家のこともして、ストレスMAX!感情こじらせ親父とストレスMAX母のもとでジュリアンも爆発しない訳がなく、父にもう一度夢を見ることを、自分と正面から向き合てくれることを、母に子離れしてくれることを‘アイアンマンレース’にチャレンジすることに託し、次の一歩を踏み出そうとします。ジュリアンが一番大人ですね・笑。
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(こじらせ親父ではありますが、イケメン親父。演じるはジャック・ガンブラン57歳!)

おそらくポールもクレールも最初は「息子の願いを叶えてあげたい」と思って、レースへの参加を許し、危険でハードなトレーニングをサポートし、レースの完走を祈り、共に乗り越えようとしたのだと思いますが、結果としてはジュリアンの行動が頑なな父と母の感情を解放させ、彼らにとっての新しい一歩までも踏み出させることになるのです。 
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この映画の主人公はたまたま障がいを持つ青年でしたが、こういう家庭環境って結構、どこでも垣間見られると思うんですよね。子供の成長は子供自身のそれだけでなく、結局のところは親の成長も大事なんだろうし、夫婦だから家族だからといって、何もかもが許される訳ではなく、夫婦や家族だからこそお互いを思いやる気持ちが必要だし、何か問題があった時に逃げているだけでは何も解決しないし、それは正面から向き合った時にだけ本当の意味の解決に繋がるし・・・なので特にスポーツ好きでなくても、特別な環境にいなくてもこの映画はいろいろな人の心に気付きを与えてくれると思います。

 スポーツものと言うこともあり清々しい風を運んでくれる本作は舞台が自然豊かなフランスのアヌシー地方。ドキュメンタリー監督でもあるタヴェルニエ監督ならではの切り口で、自然と人間のコントラストがとても絵になる1本でもあります。南フランス・ニースで開催されたレースで実際に撮影されたアイアンマンレースのスタートシーンは息も止まる程ににフォトジェニック!是非スクリーンでご堪能ください。

By.M
©2014 NORD-OUEST FILMS PATHÉ RHÔNE-ALPES CINÉMA

『トランスフォーマー/ロストエイジ』

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 皆さん、こんにちは。女住人Mです。日差しはまだまだ強いですね。室内にいても水分補給は忘れずに!
さて、今回ご紹介するのはそんな暑い夏にぴったりなど派手な映画8/8(金)公開の『トランスフォーマー/ロストエイジ』です。
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 もとは日本の玩具を元にした本作。変身=トランスフォームする金属生命体のことを“トランスフォーマー”と言います。トランスフォーマーは正義の軍団オートボットと悪の軍団ディセプティコンとに分かれていて、地球で戦争を始めたことでそれに人類が巻き込まれていき・・・という展開がこれまでのシリーズで描かれています。前作で悪のディセプティコンの野望は打ち砕かれたのですが、それから数年後・・・。
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(海外では一足先に公開されており、全世界興収は本年度最大にして最速となる大台10億ドルをすでに突破!大大大ヒット中)

 かつてディセプティコンらの襲撃から地球を守ったオートボットたちですが時代の変化と共に不必要なものとされ、彼らは攻撃の対象となっています。そんな時に一人娘テッサ(ニコラ・ペルツ)と暮らすケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)が、姿を隠していたオートボットのリーダー、オプティマスプライムと偶然出会います。一方、アメリカ政府が人類の意のままに操れる人口トランスフォーマーを開発したことでオプティマスプライムに危険が迫り、さらに全滅したはずのディセプティコンの残党ロックダウンが地球に襲来し新たな闘いが始まるのですが・・・
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(オプティマスプライムのリーダーとしての資質にシビレる1本!)

 シリーズ4作目の本作。「トランスフォーマ」未見な方は「今からだと追いつけないだろうな〜」と言う不安はあるでしょうが、それは全く心配ありません!なぜなら今回からキャストが一新した新シリーズの始まりだからです。しかも「トランスフォーマー」シリーズは俺さま、ベイ様ことマイケル・ベイ監督の映画だからそんな細かいことは気にしなくて良いんです!とにかく彼自身の映画は過剰なまでの爆破シーン、バトルシーンがてんこ盛り!実際に爆破していなくてもその画作りは、あたかもスクリーンが爆発しているようなド派手な展開!(それ故ベイ様は別名:破壊王とも呼ばれています)もう、お腹いっぱいっす、もう勘弁です!といった映像が(たいてい)2時間30分以上繰り広げられるのでその世界観にただ身をゆだねるだけで充分なのです。とにかくド派手なことが大好きなベイ様の手がける「トランスフォーマー」シリーズの映画の良し悪しの判断基準はどれだけ凄いか!それに尽きます。褒めてますよ、褒めてます!
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(撮影しているというより自身が率先してアクションをやっているかのように見えるベイ様!)

 加えて今回ベイ様の視点はハリウッド映画のマーケット、中国に向けられています。制作費の高騰などで映画1本のコストを回収するのは至難の業。アメリカ本国の売り上げ以上に海外マーケットが重要で、特に近年シネコンがニョキニョキ建設されている中国は格好のターゲット。と言う訳で最近は中国資本を入れたハリウッド超大作はたくさんありますが、本作もその1つ。この映画の後半、舞台は中国(香港・北京)に移りますがもうそこでの展開はプロデューサーとしての顔を持つベイ様の手腕が発揮され「北京の皆さん、香港の皆さんどうでっか〜!皆さんもよく知っているあの名所をバックにバトルシーンでっせ〜」といったサービスカットが満載。
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途中、主人公イェーガーを演じるマーク・ウォールバーグがジャッキー・チェン?!と見紛うアクションシーンもあってたまりません!これはきっとオマージュですよね!大物監督兼大物プロデューサーでもあるベイ様の目配せが行き届いた本作は最後まで勢いが止まることはなく、観終わった後に「物足りない」と言う人は一人もいないでしょう。
香港の雑多な街並みでのアクションシーンは本当に圧巻でテンション上がりますよ!
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(物語の主軸はトランスフォーマーたちの争いに、人間たちの陰謀に巻き込まれながら、
可愛い一人娘を必死に守ろうと父ちゃんが大活躍!演じるは「テッド」でもお馴染のマーク・ウォールバーグ。)

 CG映像はどんどん進化しているのでトランスフォーマーたちの変身とバトルはこれまでになく複雑ですが、3D技術の進歩のおかげでとっても見やすい!この映画はこれまでも3Dでご覧になるお客様の比率が高かったのですが『トランスフォーマー/ロストエイジ』こそ、3Dでご堪能下さい!

By.M
(C)2014 Paramount Pictures.All Rights Reserved.

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