『デッドプール2』
お気に入りのアメコミヒーローランキングが発表されたら、上位間違いなし!な人気者の激ヤバヒーローの続編がついに公開されました。日本では“俺ちゃん”、“デップー”という独自のニックネームもすっかり浸透した6/1(金)公開『デッドプール2』をご紹介いたします。
末期ガンの治療と騙されて受けた人体実験で驚異的な治癒力と不死身の肉体、全身ただれたようなルックスになってしまったウェイド(ライアン・レイノルズ)。彼がデッドプールとなり、こんな目に遭わせた怪しい組織に復讐を果たす・・・というのが前作のおおまかなあらすじ。不死身で残念なルックスになったけれど愛するヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と変わらずハッピーな生活を送っていたある日、未来からマシーン人間ケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れます。ヴァネッサのためにまっとうな人間になると決めたデッドプールはケーブルが命を狙う不思議な力を持つ少年を守るため、特殊能力を持つメンバーを集めて“Xフォース”を結成します。
『デッドプール』はヒーローものにはあるまじき、バイオレンス表現、下ネタとギャグの応酬で全米ではR指定(18才未満は観られない)になったもの、R指定作品最高の興行収入も上げてしまい、日本でもR15+指定(15才未満は観られない)にも関わらず20億円を越える大ヒットとなりました。本作の主演・プロデューサーでもあるライアン・レイノルズの役者人生はデッドプールを映画化し、演じるためにあったといって過言でないくらい、彼がこのコンテンツに心血を注いでいたことは映画ファンの中では有名な逸話です。
映画化の企画がポシャったり、とにかく一度ヒーローを演じてみようと別のヒーロー(DCコミックスのグリーンランタン)を演じるも残念な結果になったりと苦難の時期もありました。でも長い年月をかけて愛情を注ぎ、諦めなかったことが『デッドプール』シリーズの完成度に色濃く影響し、今となっては世界中で愛されるメガヒットコンテンツに成長。“好き”という思いって本当に大事!
そして続編の本作でもみんなが“デッドプール”に求める“らしさ”はそのままに、いえ前作以上に過激にやりたい放題!!今回はスタントマン出身にして「ジョン・ウィック」、「アトミック・ブロンド」のデヴィッド・リーチが監督しているだけあって、アクションの切れ味、爽快さ、ダイナミックさも増量。監督は前作から変わったもの、カラーは変わらず、テンポはさらにUP。もういいとこだらけじゃないか。
でも“俺ちゃん”が無責任に好き勝手やっているだけでなく、実は物語の後半はデッドプールが正しくあるために一歩前に踏み出す展開にもなっていて「根はいいヤツじゃん!」と好感度まであがっていく始末。
また、どん底に落ちた経験があったロバート・ダウニーJr,がトニー・スタークを演じたからこそアイアンマンがより魅力的になったように、挫折経験があるライアンがデッドプールを演じたからこそ、ここまでになったんだな、と思える劇中の小ネタの数々、そして自虐ネタにも徹した映画のエンディングは、笑顔で「良かったね」と言ってあげたくなるというからくり。
前作に引き続き、劇中でフィーチャーされるのは80年代カルチャーの数々。80年代はその当時こそ他の年代と比べてパンチがないだの、ダサイだの、中途半端と思われた時代でしたが、「レディ・プレイヤー1」、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」しかり、昨今大ヒットする洋画の多くが80年代フォロアーなものばかり。
あんなにイマイチだった80年代がこんなに善きカルチャーとしてもてはやされ、あの時代を知っていることがこんなに誇らしいと思える日が来るとは・・・と感慨深いものです。若い世代のファンが多い本作ですが、アラ40~50あたりの方にこそ観ていただきたい1本ですYo!
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