『ボヘミアン・ラプソディ』来日記者会見レポート
公開初週より2週目で動員が伸びている、つまり口コミが効いている『ボヘミアン・ラプソディ』。日本公開に合わせキャストが来日し記者会見を実施、今回はその模様をお届けします!
会場は都内某所の屋外!こういった来日記者会見は何度か行っていますが、屋外は初めて。それもクィーンの本拠地ロンドンに因んでロンドン名物二階建てバス(しかもクィーン仕様)をバックに会場が設営されたから。お天気にも恵まれ、サングラスをかけたキャスト3人、フレディ・マーキュリー役のラミ・マレック、ブライアン・メイ役のグウィリム・リー、ジョン・ディーコン役のジョー・マッゼロが登場しました
ご存知の通り、クィーンの人気は特に日本でいち早く火がついたことでメンバーも特別な想いを持っていたと言われています。ラミ・マレックも冒頭のあいさつで「クィーンは日本人だけでなく日本の文化に愛されたバンドなので彼らの音楽のDNAにも日本が入っています。クィーンは日本で50回もライブをしたと聞いています。その地で映画の公開をお祝い出来て本当に嬉しいです」と語りました。
本人からもそっくりだ、とお墨付きを得たグウィリム・リーも「クィーンは1975年に武道館でライブをし、そこで“僕たちは何者かになる”と気付いた、とても重要な瞬間だったと思います。だから東京にも来たかった、その夢が叶って嬉しいです。あと緑茶が素晴らしく美味しい!」と挨拶。
続いてジョー・マッゼロは「我々はこの撮影の初日からプロモーションで日本に行けたら最高だよね、と言ってたんです。だからまさに夢が叶いました!」と笑顔で語ってくれました。残念ながらロジャー・テイラー役のベン・ハーディの来日が出来なくなったことについてはとても残念そうで「(二階建てバスの)彼の写真をカッティングして後で一緒に写真を撮りたいよ」と言い、会場中は笑いに包まれました。
クィーンというバンドの何をリスペクトしていますか?という質問にジョーは「彼らが素晴らしいのは世代もジャンルも文化も超越して人々に愛されているところです。またブライアン・メイやロジャー・テイラーとお会いした時も彼らは私たちを支持し、支えて、励ましてくださって最大限の応援をしてくれたので私たちが彼らを演じるに値する人間だ、と思わせてくれました。彼らからクィーンの一部を共有し、どんな風に曲が作られたかを学ぶことが出来てこれまで以上にクィーンの音楽が好きになりました。彼らへの愛情は留まることはありません」と語りました。
グウィリムは「彼らの音楽はあらゆるステレオタイプを打ち破る力があります。一つのものに閉じ込めてしまうことを拒絶する力があります。そういう意味で文化的にも彼らは先取りしていたんです。フレディもメンバーもステージに立って自分のなりたいものになっている、一番リアルな自分でいたと思います。それは見た人にとっても同じで、本当の自分になるという自由を与えていたんです。そしてこの映画の素晴らしいところは親が子供を連れて行ける、親子、家族で観ることが出来ること。自分が情熱をもって楽しんでいたものをプライドや喜びをもって子供たちに受け継ぐことが出来、子供たちもそれを受け取れるところなんです。それほど彼らの音楽は時代を越えて永遠に生き続けているんです。」とコメントしました。
実在の人物を演じる難しさについての質問についてラミは「フレディは何千人、何万人の人を掌で扱える人、私にとっては超人的な人です。そんな彼をどうやって自分が演じられる“人間”に引きづり降ろせば良いんだろう、と思ったんです。そんな時、フレディは多くの人を掌で包み込めるかもしれないけれど彼は自分のことを誰かに包み込んでほしいと思っていた人なんじゃないか、と思いつきました。それだったら彼と繋がることが出来る、そこをスタートにしました。自分のアイデンティティを探そうともがいているフレディを自分の共通点としてとらえました。」とコメントしました。
他の役を演じるのは数週間の準備でも出来るけれどこの役に関しては1年間かけたと語ったラミは、彼の独特な動き、パフォーマンスについて彼の動きを追いかけるのではなく自発的に動けるよう振付師をつけるのでなく、ムーブメントコーチをつけたり、フレディのお母さんから話し方のアクセントを学んだそうです。フレディと言えばこぶしを挙げるポーズが印象的ですが、それは彼が小さい頃ボクシングをやっていたことから生まれているそうです。モノマネするのではなく、フレディの動きの進化を学ぶことで彼の動作を取得したと語っているだけあって、この映画の中でラミはフレディの人生を生きているようにも見えます。
一つ一つの質問に丁寧に答える姿に彼らが如何に誠実に真摯にこの映画に挑んだか感じられましたし、クィーンのメンバーさながらに彼らもとっても仲良し。4人揃わなかったことは本当に残念だったようで、この後ベン・ハーディのパネルと一緒にキャンペーンを共にし、なんと自宅まで持ち帰っていた模様がジョーのSNSにアップされていて、それを見るだけでホクホクしちゃいました。映画を通して彼らもクィーンのようにチームになったんだな、と思わせてくれる素敵な記者会見でした!
(ユーモアたっぷりだし、本当に仲良し!)
By.M