ウラシネマイクスピアリブログ

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『リトル・マーメイド』

 皆さん、お待ちかねの映画がついに公開です。ディズニー創立100周年にふさわしいあの映画の実写化、今回ご紹介するのは6/9(金)公開『リトル・マーメイド』です。

 美しい歌声をもち、人間の世界に憧れている人魚アリエル。掟を破って人間の世界に近づき王子エリックと運命的な出会いをする。そんな彼女に海の魔女アースラが近づき恐ろしい取引を申し出る。それは3日間だけ人間になれる代わりにその声をアースラに差し出すことだった・・・

 既に全米では一足先に公開し、『アラジン』(2019)を上回るオープニング成績で大ヒット中な本作。キャスト発表された時に賛否両論が巻き起こったことは事実ですがアリエル演じるハリー・ベイリーちゃん、歌激うま!笑顔が可愛くてフレッシュ・アリエルです。ご存知の通り、人魚アリエルの物語は人間界という違う世界に憧れを持ち、周りから散々先入観を植え付けられていたけれども、自分の価値観で幸せを探求する女の子の話です。映画を観る前から固定概念で意見しちゃうのはダメ、ダメよ~ということでもあります。

 そしてアニメ版「リトル・マーメイド」にかなり忠実なので「よく実写でここまで描けるな~」というシーンの数々。特に海の中シーンの描かれ方の凄さたるや圧巻です。「アンダー・ザ・シー」の音楽にのって海の生き物たち勢ぞろいになるところも言葉にならないし、「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌い上げるアリエル、最高かっ!なんだこの高揚感は!というミュージカル映画の楽しさ爆発です。

 本作では未知なるものへの好奇心に心躍らせるのがアリエルだけでなく、王子エリックとの共通項として強く描かれるから、二人が心惹かれ合うところにより説得力もあります。二人とも周囲から自分とは違う世界からは距離を置け的な育てられ方をしているけれど、異なるものに対して偏見がなく、また臆するところがなくまっすぐで、ここだけでない世界を探し求める=自分の可能性を自身で広げるキャラとして描かれるからその内なる強さも魅力的。そう、アリエルだけでなく王子エリックの背景もきちんと描かれるのがいいんです。

 また二人が自分の道を進むについては親離れ、子離れ映画でもあります。特にトリトン王はアリエルが心配過ぎて彼女をとにかく殻に閉じ込めようとし束縛し、結果アリエルが余計に反発したり、その過保護さのあまり海の魔女アースラに足もとをすくわれます。愛が深いゆえにお父さんもつらい!でも信頼することも子供の成長にとって必要ですもんね。娘LOVE過ぎて時に横暴で頑固になる父親トリトン王をアカデミー賞俳優ハビエル・バルデムが顔面圧たっぷりに演じていますが、好きな子のお父さんがこんなんだったらひるむわ!という点においてかなりナイスキャスティングでした。

 アリエルは他の世界に憧れるあまりに彼女の一番のチャームでもある声をアースラに差し出してしまうのですが、そもそも男性に気に入られるためには声(主張)はいらないというメタファーなのかしら?とか、大人になってから観ると深読みが色々出来て、ディズニーが込めた様々なメッセージ、その普遍性に改めて感動しております。

 ディズニー映画は吹替版のキャストも注目ですが「やりたい!」とオーディションを受けてもハリーちゃんが歌う音域をクリア出来る人がほとんどいなかったと聞いています。そんな中でアリエル役を見事射止めた豊原江理佳さんの歌声もうっとりなので、ぜひ字幕、吹替と2バージョンでお楽しみください!

 シネマイクスピアリお馴染みの(期間限定)装飾展開も実施中!今回はイクスピアリ内の色々なところが『リトル・マーメイド』色に染まっていますので、映画鑑賞の前後でその世界観に浸ってくださいね。


By.M