『ミケランジェロ・プロジェクト』

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 皆さん、こんにちは女住人Mです。芸術の秋、ということで美術鑑賞を楽しんでいらっしゃる方も多いかと思います。長い月日を経た今も輝きが損なわれない美術品の数々を現代でも観られるというのは素晴らしいことですが、実はそういった作品の中には"モニュメンツ・メン"と呼ばれる人たちの偉業がなかったら失われていた可能性があった・・・というのはあまり知られていません。今回ご紹介する映画はそんな知られざるヒーローたちの活躍を描く、11/6(金)公開『ミケランジェロ・プロジェクト』です。
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 "モニュメンツ・メン"とは芸術の専門家で結成された特殊部隊。第二次世界大戦終戦間際、ドイツ軍はヒトラーの命により侵攻したヨーロッパ各国の美術品を次々と略奪していました。このナチスに奪われた美術品を奪還するミッションに動いたのが7人の"モニュメンツ・メン"!リーダーはジョージの兄貴ことジョージ・クルーニー扮するハーバード大学付属美術館館長ストークス。本作でジョージの兄貴は監督・共同脚本・製作・主演をつとめているという訳で、リーダーを慕ってモニュメンツ・メンに加入する専門家たちを演じる役者陣もマット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、「ダウントン・アビー」の旦那様ことヒュー・ボネヴィルといった映画ファンには嬉しい顔ぶれで、紅一点でケイト・ブランシェットも参戦です。
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 ヒトラーはもともとアーティスト志望で美大に二度も受験していた美術愛好家。受験は失敗に終わり夢が絶たれたもの、その情熱はいつしか故郷のオーストリアにヒトラー総統美術館を建てることに向かっていきます。そこにダ・ヴィンチの「最後の晩餐」、「モナリザ」、ゴッホの「ひまわり」やレンブラント「自画像」といった誰もが知る美術品の数々を手に入れ、展示しようと考えていたのです。しかも敗戦が色濃くなってくると「略奪した美術品を敵国に渡すものか」と~ドイツが敗北した際には敵国に何一つ渡さず、全てを破壊する~"ネロ指令"を発令します。自分のものにならないのなら、人の手に渡るぐらいなら、全て壊せ、燃やせ、ってどんだけひねくれた愛憎・・・
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と、ヒトラーに奪われた歴史的財産の数々を奪還すべく立ちあがったモニュメンツ・メンなのですが、集まったのは芸術のエキスパートではあるもの、軍隊経験がほとんどないおじさま7人。美術品を救うために戦地の最前線に赴くも「人の命を救うことが最優先なのに、そんなのに構ってられない」と協力者が現れることもなく、悪戦苦闘が強いられ、やっとこさ手がかりを見付けても、既にナチスの手に渡り、破壊されたり、行方不明になっていたのです。美術品を守る者の代わりはいるけれど、それは一旦失われたら最後、二度と同じものは手に入らない・・・ストークスを始めモニュメンツ・メンたちは命を危険にさらしてもこれらを守ろうとするのです。でも、戦争ど素人で構成されたおじさまチーム、美術品を追っている途中に命を落とす者も出てきます。
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平和が訪れた時に永遠に残っていくであろう数々の美術品、次の世代にも受け継ぎたいと願う芸術品の数々、その存在を最優先してきたリーダー・ストークスでしたが、それを守っていくメンバーたちの代わりも決していないという当然の事実を目の当たりにしていき、自分のやっていることが本当に正しいことなのか、戸惑うこととなるのです。果たして自分が守ろうとしているものにどれだけの価値があるのかと。
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 本作は人間が生きる上で損なわれてはいけないものは何なのか、そんな普遍的なテーマが根底にありながらも、ハリウッド映画らしく明快でエンタメ感と正義感に溢れる1本となっています。最後の最後にジョージ・クルーニーにまつわるあの人が登場したりとリーダーの元、皆が結集する感じはとても清々しくもあります。この映画を観た後だと、美術鑑賞もまた違った心持ちでご覧になれると思いますよ。

By.M
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