M(コジレ島の女住人): 2012年9月アーカイブ

『エージェント・マロリー』

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 秋、急に来やがった!1年中で今の季節が一番大好きな女住人Mです。
話は変わりますが、ハリウッド映画には時代、時代で無敵のヒロインが登場します。一昔前だと、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーa.k.a.リプリー、そしてここ最近だと「アバター」「ワイルド・スピード」シリーズ、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」でお馴染み、黒のタンクトップが世界1似合うミシェル・ロドリゲスa.k.a.ミシェルの兄貴。(女性ですが敢えて兄貴と呼ばせて貰ってます)。しかし、そんな無敵のヒロイン枠に新たにライバル登場です。
彼女の名前はジーナ・カラーノ。アメリカの女子格闘技界が生んだ、“女子総合格闘家の史上最強のアイコン”しかも美人。そんな彼女が「オーシャンズ11」シリーズでお馴染みスティーヴン・ソダーバーグ監督に見出され見事にアクションスターとしてデビューしました。今回ご紹介するのは9/28(金)より公開の『エージェント・マロリー』です。
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 ジーナ・カラーノ扮するマロリー・ケインは美貌と知性、そして並み外れた戦闘能力を兼ね備える女スパイです。もと恋人で、民間軍事企業の経営者でもあるケネス(ユアン・マクレガー)からの指示でマロリーは政府機関が絡む表沙汰に出来ない仕事を請け負っています。バルセロナでの人質救出作戦を終えた彼女は休む間もなく、ダブリンでの仕事を依頼されます。それは別のスパイ(マイケル・ファスベンダー)と夫婦を装い、あるフランス人男性に接触すること。でもマロリーを待ちうけていたのは、殺人犯と言う濡れ衣!国際指名手配犯に仕立てられ、マロリーは逃亡しながら黒幕を追うことになるのですが・・・
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(強いし女度も高い、ジーナ姐さん。)

 女アクションスターとして華々しくデビューを飾ったジーナ・カラーノですが、これまでに演技経験はありません。でも“女子総合格闘家の史上最強のアイコン”ですからね。繰り広げられるアクションシーンの数々は生身の人間がガチでやっとる!感、満載の凄い技の連続で説得力あり、あり。ジーナ扮するマロリーが繰り広げるファイトシーンで思わず私は何度も「うぉっ!」と声を上げ、その迫力の為に呼吸をすることすら忘れたことしばしです。ベッピンな上に肉体的にも精神的にも無敵でタフなマロリーはまさに現代を象徴するヒロイン!
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(あのファスベンダーを必殺・太もも挟み!)

演技が初めてとは思えない程ジーナが演じるマロリーが様になっていたのは、マロリーの身体能力の高さと勘の良さですかね。そして監督がソダーバーグと言うことで共演陣は「オーシャンズ11」シリーズ並みに豪華俳優が大集結。チャニング・テイタム、マイケル・ファスベンダーと言った今、最もハリウッドでも主演、出演作が多い演技派+人気も高い若手の役者から、ユアン・マクレガー、マイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラス、ビル・パクストンと言ったお馴染みの顔が脇をガッチリ固めています。いや〜贅沢ですね。しかもリアリティがあるのにスタイリッシュな作品なのでアクション映画に然程興味のない女性の方にも楽しんで貰えるんじゃないかと思います。
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(肉体派のチャニング君もジーナにかかれば赤子の手をねじるようなもの的扱い・・・)

 ジーナ・カラーノは次回「ワイルド・スピード」シリーズ第6弾の出演も決まったようで、と言うことはミシェルの兄貴と共演する日も近いですよ!!無敵のヒロイン枠最高峰の名誉はどちらの手に!!これからのジーナの活躍が楽しみです。

By.M
(C)2011 Five Continents Imports,LLC. All Rights Reserved

『ロック・オブ・エイジズ』

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 ひと雨ごとにやっと秋が近付いてきました。皆さんこんにちは、女住人Mです。
今回ご紹介する作品はミュージカル映画が大好きな私のオススメの1本、9/21(金)公開の『ロック・オブ・エイジズ』です。
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 今でもNYはブロードウェイで上演中の同名ミュージカルの映画化です。
監督は自身も振付師であり、映画版「ヘアスプレー」や人気海外ドラマ「glee/グリー」の監督もしているアダム・シャンクマン。
物語は1980年代のハリウッド・サンセット通りが舞台。誰もが成功を目指してこの街にやってきます。シンガーになるために田舎からやってきたシェリーもチャンスを求め、この街のライブハウス“バーボンルーム”で働き出し、同じような境遇のドリューと恋をし、挫折をし、それでもまた夢に向かう様と、落ち目のかつてのカリスマ・ロックスター、ステイシーが再び自分を取り戻す様を描きます。

本作のポイントは何はともあれロックスター、ステイシーを演じたトム・クルーズ!とにかく何でも自分でやってのける完璧主義者で努力家のトム君は本作でも役作りのためにとんでもない時間をかけてボイストレーニングをし、ガンズ&ローゼズのアクセル・ローズにも教えを乞い、見事にフェロモンモン♪なロックスターを演じています。
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(トム君、すぐにでも3大ドームツアー出来まっせ、ぐらいの勢いです)
昔からちょっといっちゃってるぐらいのキャラを演じた方が俄然輝くトム君なので今回もかなりイイ!!です。
本当の主役は夢を実現させようとする若者シェリーとドリューなのに完全にトム君にその座をもっていかれてます。
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(「僕たちだって頑張ったもん」)

 でもそこに、ロック=悪、「青少年の健全育成のために、この街からロックは追放よ〜」と鼻息荒く登場する市長夫人を演じるキャサリン・ゼダ=ジョーンズが、トム君のワンマンショーにいろんな意味で「そうはさせないわよ〜」と待った!!をかけるのでした。ミュージカル映画「シカゴ」でキャサリン・ゼダ姐さんはアカデミー助演女優賞を受賞してますからね。本作でもキレ味抜群です。
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(「あたしを誰だと思ってんの〜!!」)

しかも本編の音楽は80年代ロックを中心に構成されていて、30代以上にはたまらないあの曲や、あの曲のオンパレード♪海外ドラマ「glee/グリー」でもお馴染みのあの曲も流れてくれば、映画館はライブハウス“バーボンルーム”になっちゃいますよ!

いやむしろ、映画館を“バーボンルーム”にしてしまえ〜!ぐらいな前のめりな感じで『ロック・オブ・エイジズ』を楽しみにシネマイクスピアリにいらして下さい♪

By.M
(C)2012 Warner Bros. Ent.All Rights Reserved

『鍵泥棒のメソッド』

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 一刻も早く季節は秋になりませんかね・・・皆さん、こんにちは。女住人Mです。
今回ご紹介する映画はクスっと笑えて、でもちょっとハラハラドキドキ9/15(土)公開の『鍵泥棒のメソッド』です。
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 主人公の桜井は何をやってもダメダメな貧乏役者。
ある日、銭湯で見るからに羽振りの良さそうな男が石鹸に滑って転倒し、意識を失っている現場に出くわします。
桜井の目の前に飛び込んできたのは、その男が使っていたロッカーの鍵。出来心で自分の鍵と交換した桜井ですが、実はその男、裏の仕事を請け負うことで大金を手にしている伝説の男・コンドウだったのです。コンドウの身分を借りた桜井はなぜか危ない仕事を引き受けることとなり大ピンチ!
一方、本物のコンドウは記憶喪失になってしまい、銭湯に残っていた荷物から自分を桜井だと思い込み、まじめに役者修業を始めてしまいます。そんな折、婚活中の女性・水嶋香苗と出会い、何だか良い感じ・・・
人生が入れ換わってしまった二人とそれになぜか関わってしまった婚活女子。出会うハズのなかった3人が出会ったことで、物語はあらぬ方向に進みます。
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(次第と3人に関係性に化学反応が・・・)

 ダメダメな桜井を堺雅人さんが演じ、何だか怪しい男コンドウを香川照之さん、婚活女子を広末涼子さんが演じますが、堺さんと香川さんは人生が入れ換わった男をそれぞれ演じるので1つの映画で2粒美味しい、ファンにはたまらない役どころ。特に香川さんは最初は極悪オーラ出まくりのコンドウを演じているのに、役者の桜井だと思い込むあたりからは、自分の素性がわからないこともあって、オドオドしまくり。そのキャラクターのギャップは物語の可笑しみそのものです。
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(「オレは本当はコワイ人なんだぞ〜」)

キャスティングからして安心印なのですが、今回さらにプッシュすべきは監督、脚本の内田けんじさん。「運命じゃない人」でそのストーリーテリングのうまさで注目を浴び、「アフター・スクール」で大泉洋、佐々木蔵之介&常盤貴子と言うメジャーキャストを揃えて再び軽妙で軽快な作品を作り、大ヒット。
内田作品と言えば、何よりものその練られた脚本が見所!先の読めないまさかの展開、観客の想像をちょこっとミスリードさせる伏線、裏をかきながらも、でも最終的には間違いなくHappyにさせると言う、“とにかく見ている人を心から楽しませる”ことに徹底した映画作り!!しかもこれまではエンディングで思わずニヤリでしたが、今回はキュンキュンがキーワード♪ 見終わった後の皆さんの微笑む顔が想像出来て、早く多くの方に見て貰いたい、そんな1本です。

騙すことで物語が始まると言う点では前回紹介した「夢売るふたり」と共通項ですが、真逆のエンタメ映画に仕上がっているこの2本。比べて見るのも面白いかもですよ〜。いやいや、日本映画は本当元気ですよ。

By.M
(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

『夢売るふたり』

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 もう一度生まれ変わっても女が良いな〜、と思っている女住人Mです。
今回ご紹介するのは女の心の中をグイグイ描く、9/8(土)公開の『夢売るふたり』です。
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 本作は「ゆれる」や「ディア・ドクター」の監督、脚本でお馴染みの西川美和さんの最新作。主演に阿部サダヲさんと松たか子さんを迎え、仲の良い夫婦、貫也と里子を演じます。
ふたりは念願の小料理屋「いちざわ」をオープンさせますが、繁盛し出した矢先に突然の火事でお店を失くしてしまいます。再出発したい二人ですが蓄えもなく、貫也はすっかり自暴自棄。そんなある日、貫也が大金を持って帰宅します。それは「いちざわ」の常連客だった女性と偶然出会った貫也が一夜限りの浮気をし、彼女の心を慰めたことで手に入れたお金だったのです。里子はもちろん怒り心頭ですが、と同時に「うちの旦那は使える・・」と思うのです。その日から、新しいお店を持つために二人が選んだ手段は“結婚詐欺”。里子の指示のもと、女性たちを騙していく貫也。最初はうまく進んでいたこの計画ですが、嘘に嘘を重ねるこの行為は騙した女たちとの間ばかりか、夫婦の関係性にも変化を及ぼし始めます。
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(マリマリモリモリなイメージから一転、って言う阿部サダヲさんの役柄がまた凄い!)

 貫也の結婚詐欺の罠にハマって行く女たちは、結婚願望が強い独身OL、DV男にハマっている風俗嬢、不倫で大金を手にしたキャリアウーマン、恋愛から程遠いところでずっと生きてきたウエイトリフティングの選手、幼い子供を持つシングルマザーと様々なタイプの人間ですが、女性が見るときっと彼女らが抱える心のポッカリ感はどこか思い当たる節があるものばかり。そんな女性の心の渇きを西川監督は何とも的確な台詞でもって女たちに語らせるので、見ている最中、都会の荒波で干上がった私の心に何度鋭利な刃物が刺さったことか・・・この台詞、痛いな!と声に出しそうになりました。

おまけに貫也に騙される女たちはこぞって駄メンズ製造機みたいな女性ばかりで、貫也に騙されて、お金を取られたと知った後も、何だかそれによって腫れものが取れたぐらいの感じになっていたりもするんですよね。それは貫也がどんなに酷い事をしたとしても、そう思わせてしまう何かを持っていて、それは里子が貫也の中に見出した彼の素質なのですが・・・。最終的に騙された女たちは「何かいろいろあったけど、良い夢見せて貰って、ありがとう、あばよ」って、お前は柳沢慎吾か〜って感じなんです。
なのでこの映画を全部見終わった時に『夢売るふたり』というタイトルがシックリくるんですよね。そういう意味では、騙された女たちにとって貫也はお伽話に出てくる王子様みたいなものなんじゃないかとさえ思うのです。となるとシネマイクスピアリa.k.a.夢の国の映画館でやるにふさわしい映画ですね・笑

しかし何ですかね〜。騙された女たちを見ていると人間が生きることの哀れさ、惨めさ、危うさ・・・だけどその根底にある逞しさ、その先の美しさ・・・何か得体の知れない女の性(さが)みたいなものをビンビン感じますね。
そして、騙される女たち、騙す貫也、全てをコントロールしていた里子の心の闇は怖いですね〜。
人間の業、いや女の業って本当エグイ!と心から思った1本なのでした。私の中にもこんなエグさってあるのかしら?

By.M
(c)2012 「夢売るふたり」製作委員会

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