止められるか、俺たちを
久々にこのウラブログへやってきました、男住人Aです。この秋は邦画ファンにとって嬉しい作品が続きますね。9月は濱口竜介監督の『寝ても覚めても』(シネマイクスピアリでは上映終了しましたが、素晴らしい作品でした!)、11月は塚本晋也監督の『斬、』(11/24公開)が控えています。そして今回ご紹介するのが、10/13(土)より公開中の白石和彌監督最新作『止められるか、俺たちを』です。
舞台は1969年の新宿。映画制作の世界に飛び込んだ21歳の女の子が個性的な仲間たちと出会い、命懸けで、バカで、そして愛おしい青春の日々を過ごします。彼女が扉をたたいた先は、当時から若者たちを熱狂させていた若松プロダクション。そうです、この作品はドキュメンタリーではないものの、実在の人々を現代の役者が演じる実録映画でもあるのです。井浦新さん演じる若松孝二監督を筆頭に、大島渚、荒井晴彦、秋山道男、赤塚不二夫など、あの時代の寵児とも言える映画人や表現者たちの若かりし姿が描かれるところも本作の注目ポイントなのです。
そんな世界に飛び込む主人公・吉積めぐみさんを演じるのは、門脇麦さん。60年代の空気をまとった佇まいがもう本当に素晴らしい!
先日都内で開催された完成披露上映会に登壇した際にも「60年代への憧れがある」「登場人物がとにかくカッコイイ。これぞ“青春キラキラムービー”」と語っていた麦さん。今回の役にピタリとハマるのも納得です。
本作の監督は若松プロダクション出身で、今年春の『孤狼の血』も傑作だった白石和彌監督。下の写真ではお茶目な一面もチラリ。井浦新さんは「この映画は白石監督の作品。若松孝二監督を知らない人にも観てほしい」とコメント。
そしていよいよ公開を迎えた10/13(土)、シネマイクスピアリでは初日舞台挨拶を開催しました。井浦新さん、山本浩司さん、岡部尚さん、大西信満さん、タモト清嵐さん、伊島空さん、外山将平さん、藤原季節さん、中澤梓佐さん、柴田鷹雄さん、高岡蒼佑さん、白石和彌監督、脚本の井上淳一さん。総勢13名の出演者、スタッフの方々にご登壇いただきました!
お一人ずつのご挨拶に続いてお客さまとのティーチイン、写真撮影タイムまで、映画愛が詰まったひとときでした。ご登壇の皆さま、そしてご来場いただいたお客さま、本当にありがとうございました!
舞台挨拶の後には物販会も開催。先ほどまでスクリーンの中にいた役者さんがこんな間近に・・・。かつてない豪華なサプライズ!
今回の舞台挨拶イベントを担当した僕は、新さんをはじめとするご出演の皆さんや白石監督、制作スタッフさんのアツい想いをビシバシ感じました。こんなにもたくさんのご登壇者が上映館に駆け付け、舞台挨拶のみならず一人一人のお客さまと握手を交わす。その姿はとても感動的で、そこには自ら制作プロダクションや映画館を立ち上げ、自分の足で映画を観客へ届けてきた若松孝二監督の魂がしっかりと受け継がれているかのようです。皆さん劇中の登場人物に負けず劣らず、本当にカッコイイ!僕も改めて、「映画を上映するということは作品に関わった多くの方の想いを預かって、お客さまへ手渡すこと」なんだと、襟を正した一日でした。
By.A
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