『マイ・プレシャス・リスト』
頑張る女子映画と申しましょうか『プラダを着た悪魔』、『ホリディ』と言った映画が大好物な方に朗報です。今回は『マイ・インターン』のプロデューサーが手掛けるこの秋オススメの1本、10/20(土)公開『マイ・プレシャス・リスト』をご紹介いたします。
主人公はハーバード大学を飛び級で卒業、マンハッタンで暮らすキャリー(ベル・パウリー)
と書くとイケイケ女子が思い浮かびますが、その実態はコミュニケーション下手が災いし、
友達いない、仕事ない、1週間に17冊の本を読む引きこもり女子。そんな彼女を心配した唯一の話し相手、セラピストのペトロフ(ネイサン・レイン)は彼女に"幸せになれる6つのリスト"を課題として与えます。さて彼女は幸せをゲット出来るのでしょうか?
自分では一生懸命のつもりなのに思った通りに行かず、余計に空まわってしまう・・・なんて悩みは誰もが抱えるもの。キャリーはIQ高い系女子ですがそれ以外は至って普通の女の子。父親は良かれと思って幼い時に彼女を飛び級させたのですが、それが却って彼女のコミュニケーション能力を混乱させることとなり、ついには仲が良かった父親ともギクシャクしています。
そこで悩みを克服するために新しいことにチャレンジしよう=自分の殻を破ろう!と"幸せになれる6つのリスト"と題したTO DOリストをペトロフに手渡され、ミッションに挑みます。「ペットを飼う」や「友達を作る」など至ってシンプルで一見簡単なチャレンジですが、キャリーにとってはどれも「やるぞ!」という構えが必要です。
きっとこれまでの会話の端々でキャリーの悩みの根本を見極めたハズのペトロフ。シンプルそうな挑戦も彼女にとっては悩みの根っこ。それを一つずつ克服することで出会いが出会いを呼び、空まわっていた歯車も回りだしていきます。
結局、自分が変わらないと周りも変わらないんですよね。というかこの映画を観ていると、やっぱり自分を変えられるのは自分だなぁ、と。自分で「変わろう!」と思うからこそ自ずとそういう行動を取るようになるし、変わった(変わりつつある)ことで周りもこれまでと違う反応を示すだろうし・・・と。
また、悩み過ぎると頭の中こんがらがってパニック!となりがちですが、ペトロフがしてくれたようにTO DOリストを作る=悩みの元を可視化することも凄く大事。問題の種を明確にすればその対応もしやすく、解決の糸口も見つかりやすいものです。
そして、問題の前では白黒つけたがるのが人間の性ですが、白黒では片付けられないグレーゾーンがある、というのを知っておくことも大人の階段を上る一歩ですよね。ダメとわかっていてもそれを選ばざるを得ない人間の弱さを真っ向から否定するとこれまたどツボにハマるもの。年を重ねれば重ねる程、そんな自分の弱さを認めつつ前に進もうとする方が健康的な気がします。何れにせよ、生きていると悩みは付きものですからね。
コミュニケーション不足が故にいろいろな事がうまくいかなかったキャリーですが苦手だったコミュニケーションを通して、一歩一歩成長していく彼女はとても好感&共感度高し!
キャリーを演じるベル・パウリーちゃんは表情豊かでコメディセンスも抜群。「よく頑張ってるよ、キャリー!」ときっと応援したくなる本作、観る人の心にもほんわかとパワーをくれると思います。NYを舞台に感謝祭で始まり、大晦日で終わるという今の時期にもピッタリの1本、悩める子羊はこの映画に集いませう~。そして映画を観た後は自分版"幸せになれる6つのリスト"も作っちゃおう!
By.M
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