ウラシネマイクスピアリブログ

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『パディントン 消えた黄金郷の秘密』

 可愛い成分100%のモフモフ英国紳士が帰って来た!今回は5/9(金)公開『パディントン 消えた黄金郷の秘密』をご紹介いたします。

 ロンドンでブラウン一家と暮らすパディントンの元に故郷の南米ペルーから届いた1通の手紙。それはパディントンの育ての親・ルーシーおばさんの元気がないから会いに来てほしいという老グマホームの院長からのもの。心配になったパディントンはブラウン一家と一緒におばさんを訪ねると彼女は失踪していた!パディントンたちはおばさんが残した地図を手掛かりに探しに行くことに・・・・

 映画「パディントン」、前作から7年もの間が空いてしまいましたが、礼儀正しく、誠実で優しくて、でもちょっと頑固でおっちょこちょいな愛らしいそのキャラクターは変わりません。パディントンと言えばエリザベス女王とお茶友だったぐらい“イギリス”の象徴として君臨していますが、今回は舞台を故郷ペルー(そう、ペルーなんです)に移し、大冒険です。なんと今回のペルー行きに合わせて、実際に英国旅券局から正式なパスポートがパディントンに発行されたというから、パディントンの愛され度、信頼度、そしてその粋な計らい、さすがイギリスです!

 そんな具合にパディントンと言えば“イギリス”のイメージが強すぎて、ペルーでアドベンチャーというあらすじに一瞬、大丈夫なの?と思ったのですが、全くその心配は皆無でした。だってパディントンはパディントンだもの。ジャングルでもおっちょこちょいっぷりを発揮。雪だるま式にトラブルがどんどん大きくなると「おー私は今、「パディントン」を観てるぞー」という多幸感に満たされます。いつも赤い帽子の中にマーマレードサンドを忍ばせているからこそのピンチ回避シーンもあり、パディントンらしさに心が和んじゃう。

 また映画「パディントン」シリーズは年齢問わずに楽しめることも魅力ですが、そこには原作者マイケル・ボンド氏がパディントンの物語に託した、様々なメッセージが映画でもきちんと描かれていることにあると思います。1~2作目では他者を受け入れること、思いやりを持つこと、敬意を払うこと、困った人は進んで助けることが物語の端々に描かれ、パディントンのドジっ子なハプニングシークエンスを楽しみながらも、ふとパディントンがつぶやく言葉、その行動に私たちは色々な気付きを得ます。

 本作においてはそんなパディントンらしさはそのままに“家(=家族)”についても描いていきます。物語同様、月日が流れブラウン家の子供たちも成長し、自立していく日も近づき、いつも家族で一緒にいたいブラウン夫人は特にその現実を受け入れられません。一方、パディントンはこの冒険を通して自分のルーツを知ります。両者とも自分の“居場所”について考えるのですが、そこで描かれることは居場所は1つと限らないし、物理的に一緒にいられなくっても家族は家族だし、だからといって家族に縛られる必要もない。そんなメッセージに導かれる感動的なエンディングにも心が洗われます。

 まだまだパディントンの物語は続けられるし、もっともっと見届けたい!そして世界中の皆が“パディントン”精神を忘れなければもっと世の中はいいものになるハズ。(そう信じたい!)
だからたくさんの人に観てほしいんです。そういつも心に“パディントン”を!

By.M