お待っとさんです、ディズニー最新作の登場です。今回は新作オリジナル・ミュージカルにして記念すべき60本目の長編アニメーション映画、11/26（金）公開『ミラベルと魔法だらけの家』をご紹介いたいます。

　魔法の力に包まれた不思議な家に暮らすマドリガル家。家族全員が家から与えられた“魔法のギフト（才能）”を持つ中でミラベルだけが何の魔法も使えず「なんで自分だけ魔法のギフトが与えられないの」と悩んでいます。が、そんなある日、家に大きな亀裂を見つけ魔法の力が失われつつあることに気付いたミラベル。家族の皆の魔法が弱まっていく中、彼女は一人、その苦難に立ち向かおうとします。

　映画の主人公と言えばスペシャルなパワーを持っているのは王道ですが新しいディズニーヒロインはどこにでもいるような女の子。自分以外の家族は花を咲かせたり、怪力パワーを持っていたり、料理でもって人々を癒すことが出来たりとそれぞれにギフトがあるので、ショボボンなミラベル。しかも、おじいちゃん亡き後、この家を必死に守っていたアルマおばあちゃんはミラベルにはちょっとあたりが強いんです。家族で一人だけ自分が違うことにミラベルは疎外感も感じていて、自己肯定感も低め・・・それでも家族が大好きなミラベルはいつも明るく振る舞う等身大ヒロインなので「その気持ち、わかる！」と共感しちゃうと思います。

　魔法を持っているマドリガル家はこの村に住む人々にとっても大事な存在で皆が頼りにしているという一面がある中で、魔法の力が薄れていく異変にミラベルだけが気付いたことから物語は急展開していきます。「自分だけが何の力にもなれない・・・」といつも思っていたミラベルなので、この危機をなんとかしようと必死になります。

でもそういう時に限って気持ちだけが空回りしたり不運が重なったりで失敗しがちで折角の場を台無しにしてしまい、ますます気持ちが落ち込むミラベル。「魔法があるからいいわよね、何だって出来るもんね」と大好きな家族にまであたってしまい、ついには家族という関係性にまで傷が入ってしまうことに。でもあるきっかけを経てミラベルは家を魔法を家族を元に戻すべく前へ進みます。それを可能にしたのはミラベルが強く想っていた感情、それがまさにミラベルのギフトだったのですが・・・・

　物語の中ではミラベルを通して持たざる者の苦しみが描かれるのですが、同時に特別な何かを持っていた者の苦しみも描かれます。スペシャルなスキルばかりが注目されたり、求められる姿を演じるようになったりと過度な期待はなりたい自分とのギャップを生むことだってあります。人はいろんな面があるハズなのに思い込みが誤解を生み、せっかくのギフトがその人自身を苦しめることにもなります。家族の中だと“姉”だから“父親”だからといった概念的役割が“こうあるべき”とその人を縛ることもありますもんね。

どんな関係性であろうと他者との結びつきの中で見た目や先入観にばかり囚われると大切なものは見えてきません。ミラベルやその家族は一大事をきっかけに、本来一番失ってはいけないものの存在に気付いていくこととなるのでした・・・

　なんかマジメな感じになっちゃいましたが本作はカラフルで色鮮やかな映像と『モアナと伝説の海』や『イン・ザ・ハイツ』の音楽でもお馴染み、リン＝マニュエル・ミランダが手掛けた心躍るリズムにのって繰り広げられるミュージカルアニメーションなので、きっと皆さんの心も解放してくれるハズ～♪　「自分に自信が持てない・・」とお悩みのあなたにはぜひ観て頂きたい1本です。

By.M

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