<キネマイクスピアリ>『アナザーラウンド』
シネマイクスピアリでは<キネマイクスピアリ>と銘うって、近年話題になった作品から、スクリーンではなかなか観る機会のないクラシックの名作まで「名画」を毎月一作品ずつ、特別料金にてリバイバル上映しています。見逃したな~、懐かしいな~という皆さんの思いにフィットするよう様々なジャンルの映画を選んでいますが、今回は9月に上映する作品『アナザーラウンド』(上映期間:9/9~15)をご紹介いたします。
主人公のマーティンは冴えない高校教師、家でも学校でも覇気がない。ある日、教師仲間3人と集まった時に心理学者が提唱する驚きの理論を聞く。それは「人間は血中アルコール濃度を常に0.05%に保つことで体にやる気と自信がみなぎり人生が向上する」というもの。このところ何をやってもさっぱりな4人の男たちはこの仮説を実験してみることにする。
と、あらすじだけ聞くとなんともおバカな中年男たちのコメディ映画のように思えますが第93回アカデミー賞国際長編映画賞受賞、監督賞もノミネートというちゃんとした!?映画なんです。
妻との関係は冷め、子供たちとはコミュニケーション薄、学校では生徒からダメ出しされるパッとしないマーティンを演じるのは“北欧の至宝”でお馴染マッツ・ミケルセン。うだつの上がらなささえ色気となって漏れ出てしまうのが難点ですが、中年男性の憂いを感じるマッツがまた素敵♪
という個人的見解はさて置き、お酒の力が背中を押す感じ、呑める人なら「わかる~」と身に覚えありだと思いますが、それはあくまでも適量でのことというのは言うまでもありません。程良いお酒の効能で最初は物事がどんどん好転していくのですが、予想通り度を越してタガが外れてしまいます。
彼らの日常は過度な飲酒によりさらにダメダメちゃんになるのですが、問題は飲み過ぎ以前にそもそも目の前にある現実にちゃんと向き合っていなかったことの積み重ねが原因だし、どんな仕事だってやりがいはそんなに簡単に見つからないし、成果もやれば出るってもんでもない。“飲酒”という安易な特効薬に頼り過ぎ、彼らは痛い目にあいますが、そんな経験から自分を見つめ直し、己の不完全さごとマルっと受け止める大切さを知るようになります。
それはある大きな代償を払うことにもなるのですが、それでも前へ進むことを称えるこの映画には監督のある想いが込められています。それを最後に表現するラストシーンは元ダンサーだったマッツが魅せる人生讃歌の舞。必見です!
今回<キネマイクスピアリ>で上映する旧作映画をご紹介したのには訳がありまして、本作の上映を記念してトークショー&抽選会付き上映が決定しました(拍手)。舞浜のビールマイスターこと、ハーヴェスト・ムーン醸造責任者:園田智子さんをお迎えしてビールと映画の魅力について語っていただきます。
(画像はイメージです)
またシネマイクスピアリの売店では公開記念メニュー<舞浜地ビール飲み比べセット>も期間限定で販売中。今年アメリカで開催されたビール界のオリンピックこと“WORLD BEER CUP”で金賞を受賞したピルスナーと人気のペールエールをご提供♪映画と世界一の“ハーヴェスト・ムーン”を共にお楽しみください♪
By.M
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