『ジャングル・ブック』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。この夏はディズニーの大作映画が3本も続けて公開される"ディズニーフェス"さながらの賑わいですが、今回はそのトリを飾る8/11(木)公開の『ジャングル・ブック』をご紹介いたします。
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 「ジャングル・ブック」はノーベル文学賞作家ラドヤード・キップリングが書いた児童文学で、ウォルト・ディズニーが最後に手掛けたアニメーションとしても有名です。主人公のモーグリ(ニール・セディ)はジャングルの動物に育てられた少年。黒ヒョウのバギーラに自然で生きる知恵を教わり、オオカミのラクシャに愛情を受け幸せに暮らしていたのですが、人間への復讐心に燃えるトラのシア・カーンに命を狙われ、ジャングルを追われます。全米では3週連続週末ランキングTOPだった上に世界中でも大ヒットしている本作。日本は満を持しての夏休み公開となりましたが、なぜこの映画がこんなに世界中で大ヒットしているのか、それはかいつまんで言うと

その1、モーグリ少年以外がCGで描かれていて、人間・動物・自然、この融合がリアル過ぎ!最新技術を駆使した映像すげぇ!

その2、2000人の候補者から抜擢された主役のモーグリを演じたニール・セディ君が初演技、しかも自分以外がCGという特殊な環境下、その演技力が抜群過ぎる!

その3、字幕版、吹替版共にその豪華さと気が効いた声優キャスティングがニク過ぎる!
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ということは宣伝文句でも語られていて、まさにその通りなんです。でも、私は観る前から「なんで今『ジャングル・ブック』?しかも何で世界中で大ヒットしてるの??動物がしゃべってる映画だよね。そこに感情移入とか出来んの?」と思ったりもしたのですが、まぁ映画を観れば本作が大ヒットしているのは一目瞭然で、モーグリがジャングルを追われ人間界に戻ろうとする過程で自分のアイデンティティを見付けていく様が本当に生き生きと描かれ、観ている間、自分の中の"生きてやる"という生命力までもフツフツとみなぎっていく、なんかとっても不思議な感覚になる映画でもあったのです。
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 そう思ったのは本作のポイントその4、CG技術の素晴らしさが特に語られてはいますが、やっぱり脚本がしっかりしている、ってことなんです。原作は100年以上も前に書かれていますが、今だからこそ語られるべきテーマ、その必然性に富んでいるのです。動物たちの中で唯一人間であるモーグリがその異なる世界で共存して生きるのか、それとも異端であることが災いにならぬようそこを去るのか、それともそのどちらも越えた解決策を見い出そうとするのか。モーグリの選択は今の視点で置き換えると現代の問題点ととてもリンクしているのです。一見、楽しいエンタメ映画なのに、その根底にあるメッセージ性に驚かされる。「ズートピア」もそうでしたが、こういうアプローチの仕方は今のディズニー映画らしさの象徴とも言えます。
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そして、そんなテーマがありつつ、さらにこの映画の監督をしたジョン・ファブローの監督人生とモーグリの生き様を重ねた時にそのシンクロに私は胸が熱くもなったのです。ジョン・ファブローは「アイアンマン」とその続編の監督を手掛け、人気監督の仲間入りを果たしたもの、「アイアンマン2」はヒットこそはすれど、ファンからはあまり評価されず、彼自身が悩んだ時期があったと言われています。スランプになりつつ「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を監督・主演し、スタジオから依頼された作品でもなければ、莫大な予算もかかっていない、ファブロー監督自らがやりたかったものを一生懸命作って、それが大ヒットして、観客からも大絶賛されたんです。

なんかちょっと話が飛躍しすぎかもなのですが、「おまえはここにいるべきじゃない」とジャングルから追われたモーグリが「じゃあ自分って何なんだ」と悩み、その過程で「でも自分が生きることに向かないとされた場所でも、自分らしく生きる術を見付けることは出来ないか?」と模索する様は、ジョン・ファブロー監督そのものにも見えて、モーグリの決断と監督のそれを重ねて、私はなんか胸熱になったんです。
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ファブロー監督に「考え過ぎだよ」って言われそうですが、でもそう思えたんです。モーグリ=ジョン・ファブロー同一人物説を提唱したい私としては、ファブロー監督が再びメジャー大作映画を手掛け、華麗に復活を遂げ、モーグリのように自分の居場所を新たに見つけた監督がこれからまた次の次元の映画を作ってくれるハズ!楽しみだな~、なんて思ったりもしたのです。つまり何が言いたいかと言うと、作り手の想いは確実に映画そのものに反映されるので、前向きパワーみなぎるジョン・ファブローが手掛けた『ジャングル・ブック』が面白くない訳がない、ということなのです!
ガッテンしていただけたでしょうか?

By.M
(C)2016 DISNEY ENTERPRISE,INC

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