M(コジレ島の女住人): 2014年12月アーカイブ

『あと1センチの恋』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。2014年終了のカウントダウンな時期になってきました。
今回は街中も華やぐこの季節にぴったりの1本、12/27(土)から公開の『あと1センチの恋』をご紹介します。
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 恋愛模様において、人類が永遠に回答を出せないのでは?と思われる“男女間の友情は成立するか”問題を散りばめながら、運命のいたずらに翻弄され、12年間もすれ違い続けた男女の甘酸っぱい関係を描いたのが本作。ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は小さい頃からずっと仲良しでそれ故、次の1歩が踏み出せない者同士。想いを告げることでこの関係が壊れてしまうなら、今のままで充分と“友達以上恋人未満”的な付き合いを続けています。でも二人が大学進学というこれまでとは比べ物にならない広がった世界に身を置くことになり、かつ二人一緒にそうなるハズがハプニングの結果、離れ離れにならなくなり、二人の関係性を曖昧には出来なくなったことで話は進んでいきます。
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本作はこの手の映画が大好物な方はとにかく始終、キュンキュンして(死語ですね・・・)ドキドキしてたまらない1本になっています。二人の取る行動や悩みは恋愛をしたことがある人なら必ず思い当たることばかりで共感しまくりです。タイトルだって『あと1センチの恋』ですよ。恋愛においては成就するまでのあと1歩の時って一番楽しいと思うんです。そういう意味で“あと1センチ”というのは考えるだけで悶絶ですね。このタイトルだけでご飯が3杯いけそうです。
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(劇中の音楽使いやライティングの美しさがまた素敵!)

余談ですが本作は既に都内では公開中で、満席が続出していると聞いていますが、そのヒットの要因の大きな要素はこのタイトルなんじゃないかと、私思ってます。このタイトルを聞くだけで、この映画がどんな物語なのか一気に妄想が掻き立てられます。恋愛におけるモヤモヤ&ドキドキがこの映画でどんな風に繰り広げられるか想像しながら劇場に駆け込んでいる方、多数なんじゃないでしょうか。おまけにキャッチコピーに「いつでも“好き”って言えたのに。」と続きますからね。いや〜、妄想は止まりません。

 そして本作の魅力はそういった私たちの期待に応えてくれるストーリーラインの他にキャスティングの良さがあります。ロージーを演じるのは「白雪姫と鏡の女王」で現代的な白雪姫を演じたリリー・コリンズ。お父さんはフィル・コリンズ!(がわかる方は反応してください・笑)多分、お母さん似と思われるその愛くるしさは特徴的な太い眉毛でさらに印象に残ります。キュートでありながらもちょっとクラシカルな顔立ちの彼女が高校生〜30代までを演じているのですが、コミカルで弾むような快活さが可愛いながらも、失敗してもくじけず、自分の人生を自分の足でしっかり立ってみせる、そんな普通の女の子をリリー・コリンズが自然に演じて見せたところもポイント!
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(髪型や服装も自然で可愛い、リリー・コリンズ。その可愛さはどんどん増していくな〜)

 恋愛映画の主人公はただ可愛いだけではいけません。むしろ可愛過ぎたり美人過ぎたりすると同性の反感を買うこともありますが(笑)、リリー・コリンズには人を惹きつける可愛げと芯の強さが伺えます。ラブコメ女王の座がメグ・ライアンからずっと空いたままな昨今、今後リリー・コリンズ、エマ・ストーンあたりの若手女優でなんとか盛り上げてほしい、と思った1本でもありました。
今まさに恋愛中の方も、ちょっとそういうのから遠ざかっている方も是非この映画を観てドキドキ、もやもや、ワクワクしてくださいね。

By.M
(C)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION

『バンクーバーの朝日』

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 今年も残すところ僅かになりました。皆さまも師走で多忙な日々を送られていると思いますが、息抜きの映画も忘れずに!
今回ご紹介する映画は12/20(土)公開の『バンクーバーの朝日』です。
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 舞台は1900年代初頭、カナダ・バンクーバー。この地には多くの日本人が一攫千金を夢見て海を渡ってきました。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは差別、過酷な労働、貧困という厳しい現実でした。そんな中、日本人街に一つの野球チームが生まれます。チームの名は“朝日”。フェアプレイで戦う彼らの姿はやがて人々に勇気と希望を与えていくようになっていきます。

 物語の登場人物はカナダ・バンクーバーに移住した日系カナダ移民の二世の若者たち。カナダ人より安い賃金で働く日本人は多くのカナダ人にとっては自分たちの職を奪う者としてすんなりと受け入れられる存在ではなく、かつ日本人同士が何を話しているかがわからないので、余計に不気味な存在として見られてしまいます。でもそんな時に日本人とカナダ人の心のかけ橋になったのが野球チーム“朝日”です。
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体格や馬力が違うカナダ人チームに最初は全く歯が立たなかった“朝日”ですが、バント、盗塁、ヒットエンドランと小柄で機敏な動きが得意なところを生かし、ついには1点、1勝と勝利を手に入れていきます。カナダ人チームには決して思い付かなかったやり方で好プレイを繰り広げ、全力疾走で真っすぐ野球に打ち込む“朝日”の選手たちを日本人は言わずもがな、次第とカナダの人々も応援するようになります。

そんな“朝日”を引っ張るのはキャプテン、レジー笠原。目立ったリーダーシップがある訳ではないけれど、自然と輪の中心に立って皆をまとめるレジーを妻夫木聡さんが好演。もうこういう役をやらせた時の妻夫木さんの安定感は言うまでもありません。ちょっと頼りないけど、根が優しく皆から愛される長男キャラは妻夫木さんにピッタリです。
レジーがバントをして必死に1塁ベースに向かうシーンは海外の映画祭で観客が大爆笑していたそうですが、人が一生懸命な姿はどこか滑稽ですからね。それが実直であればあるほど、どこか笑みがこぼれるものです。そしてそんな笑顔が固まっていた両者の心を溶かしていきます。
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チームのメンバーは漁業をしながら病床の母を看病しているエースピッチャーのロイ永西を亀梨和也さん、レジーと同僚でセカンドを守るチームメーカーのケイ北本を勝地涼さん、所帯持ちで豆腐屋を営むキャッチャーのトム三宅を上地雄輔さん、ホテルで働く最年少サードのフランク野島を池松壮亮さんといった若手たちが演じています。レジーを始め“朝日”のメンバーは言ってしまえば市井の人々、ずば抜けた才能を持つヒーローがいる訳ではありません。でも彼らにはギリギリの日常の中で拠り所としての家族以外に仲間や好きなこと=野球がある。それはささやかなことかもしれませんがこの時代と境遇では何よりもの心の支えとなり、他者の心さえも捕えるようになります。

もっとわかりやすくお涙頂戴的に“朝日”の活躍をドラマティックに描くことも出来たかもしれませんが、本作では敢えてそうはせずに、時代に翻弄されることとなる人々の日常を丁寧に描きながら、野球を通して差別し合っていた者同士の心が通いあっていく様子を真摯に爽やかに描いていきます。
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 本作は史上最年少で米国アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に選出された「舟を編む」のメガホンをとり、女優・満島ひかりさんの旦那さんでもお馴染、石井裕也監督の最新作。監督もキャストもほぼ同年代のメンツで作られた本作は“朝日”のプレイに通じるチームワークの良さも感じられる1本となっています。是非、ご家族の皆さんでお楽しみください。

By.M
(C)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会

『ベイマックス』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。今年は「アナ雪」旋風で盛り上がった1年でしたが、そのディズニーがまたやってくれました!
今回ご紹介する作品は皆さん、きっとお待ちかね12/20(土)公開の『ベイマックス』です。
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 主人公の少年ヒロは発明が大好きな天才少年。幼い頃に両親を亡くし、兄タダシとキャス叔母さんと暮らしていたのですが突然の謎の事故で最愛の兄タダシを失います。悲しみにくれるヒロの前に現れたのはタダシが開発したケア・ロボット<ベイマックス>。心に深い傷を負ったヒロに優しく寄りそってくれるベイマックス。ヒロは次第と心を開いていくのですが、タダシの死の謎に不審を抱いたことから兄の仲間たちの協力を得てタダシの死の真相に迫っていきます。
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 本作の製作総指揮はお馴染ジョン・ラセターさん。奥さんとの結婚を決めたのも自分が大好きな「ルパン三世 カリオストロの城」を奥さんも気に入ってくれたから、というエピソードを持つほど日本文化や日本アニメが大好き。そんなラセターさんが陣頭指揮をとって作られた『ベイマックス』なのでもうそこには日本への愛がたくさん詰まっているので日本人は観なきゃダメな映画です(笑)。

映画の舞台はサンフランシスコと東京をミックスした架空の街サンフランソウキョウだし、街並みも日本テイスト満載。ヒロの着るTシャツの柄や部屋に貼ってあるポスターはマジンガーZ、何より“ベイマックス”の顔は鈴からデザインされているので、日本人にとっては何だか潜在能力的にしっくりきます。“ベイマックス”のプニプニしたあのフォルムもラセターさんが大好きなジブリアニメ、「となりのトトロ」のオマージュのハズ。
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 ラセターさんが日本贔屓だからというのは置いておいて、既に公開されている全米でも大大ヒット中の本作。前作のディズニーアニメ「アナと雪の女王」がどちらかと言うと女の子向けに作られ、姉妹の絆を描いた作品であると考えると本作はどちらかと言うと男の子向けに作られた兄弟の絆を描いた作品です。実はもともと本作は日本人ヒーローが主に日本を舞台に戦う「ビッグ・ヒーロー6」というマーベルコミックが原作。戦隊ものが好きなお子さん、戦隊もので育った大人たちが観たらもうテンションはアガ↑りまくりです。私はリカちゃんと遊んだりしながらもウルトラマンやゴレンジャーも愛でて育ったタイプなので、もう大好物でした!
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映画の冒頭はヒロとベイマックスの出会いが中心に描かれるので、ベイマックスのその“フワぷに”キャラにその仕草に笑い、心癒されていましたが、兄タダシの死の謎をつきとめる過程で悪者が出てきて、ベイマックスに戦闘機能がプラスされたあたりからもうそのスピーディーな展開に心鷲掴みです。ベイマックスが三点着地するだけでアガ↑りました。やっぱヒーローは三点着地ですよ。そしてタダシの友達だった4人の仲間と共にヒロが開発したボディースーツを着用し、敵に立ち向かう感じとかも、まさにマーベルの「アベンジャーズ」を観ているかのようです。音楽も「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」や「キック・アス」を手掛けたヘンリー・ジャックマンさんが担当しているので音楽でもアガ↑る。

 ご存知の通り、ディズニーはマーベルを買収しましたが、本作はキャラの良さが際立っているというディズニー的な要素と、ヒーローものの興奮をエンターテイメントとして完璧に見せるマーベル的な要素がとんでもない程に調和されています。だから、「アナ雪」がどちらかと言えば女の子向けとされながらも男の子の心も奪ったように、本作も男の子向けとされながらも女の子が観ても心奪われちゃいますよ。何せヒロとタダシの兄弟愛、ベイマックスとヒロの絆、友情と涙腺決壊ポイント満載ですから。きっと映画を観終われば、ベイマックスにHugしたくなる、Hugしてほしくなってますから。

 そして、シネマイクスピアリではエントランスにここだけにしかない、オリジナル★ベイマックス・フォトロケーションもあるので是非、ベイマックスやヒロと写真も撮ってくださいね。
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(シネマイクスピアリはベイマックス祭!ベイマックスのオーナメントが可愛いクリスマス・ツリーもあるよ。いっぱい写真を撮ってね♪)

 日本愛に溢れる本作の製作を務めたロイ・コンリさんは「『ベイマックス』はディズニーからのラブレターです」と語り、日本のポップカルチャーの影響を受けたと語るクリス・ウィリアムズ監督は「本作で日本文化に恩返しがしたい」と語っています。クリエイターたちからのその熱い想いも是非受け取ってください。ディズニーがまた新しい世界を私たちに見せてくれる!そんな『ベイマックス』は12/20(土)から2D字幕/吹替、3D吹替にてシネマイクスピアリで公開です。

PS,エンドグレジットが終わってからもすぐに席をたってはダメですよん。
©2014 Disney. All Rights Reserved.
By.M

『ゴーン・ガール』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。お正月映画がスタートするこの季節、今回は来年2月に行われるアカデミー賞に必ず何かしらで絡んでくると思われる『ゴーン・ガール』をご紹介いたします。
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 幸せな結婚生活を送っていたと思われていたニック(ベン・アフレック)の妻エイミー(ロザムンド・パイク)が結婚5周年の記念日に突如姿を消したところから物語は始まります。警察は他殺と失踪、両方の可能性を探るのですが次第にアリバイが不自然な夫ニックにその疑いの目は向けられます。一見完璧なカップルと思われていた夫婦の間に一体何が起こったのか?夫は美しい妻に失踪された悲劇の主人公なのか?やがて事件は思いもよらない展開を見せていきます・・・
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 「ゴーン・ガール」は全米で大大大ベストセラーのミステリー小説。日本でも優れたミステリー小説のブック・ランキング“このミステリーがすごい”の2013年海外部門でランクイン。エンディングが「嫌な感じ」なミステリー小説を“イヤミス”と言われるようになった昨今、その決定版とも言われています。そんな大大大ベストセラーの映画化のメガホンをとるのは「セブン」「ファイト・クラブ」そして「ソーシャル・ネットワーク」や「ドラゴンタトゥーの女」で世界中の映画ファンを虜にしてきたデヴィッド・フィンチャー。フィンチャーの映像はスタイリッシュでありながらそのスキルはストーリーを際立たせるための表現テクニックに長けています。

 今回もファンが多い小説が原作なだけあってその映画化は期待のハードルも高くなりますが、既に原作を読んでいる方がご覧になってもそれはもう大満足して頂ける1本です。そして、原作を読んでいない方は、これ以上情報を一切入れずに公開されたらすぐ映画館に行った方が良いタイプの映画です!!!映画を観たらその展開についていろいろ話したくなりますし、その展開は全く知らないで観た方がむちゃくちゃ映画が楽しめるからです。
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(想像の斜め上を行く展開が皆さんを待っていますYO!)

 ここまで読んで頂いて「『ゴーン・ガール』観ようかな〜」とか「『ゴーン・ガール』観ようと思っているんだ〜」と言う方はもうこれ以上読まずにこのページを閉じてください!
12/11(木)に前夜特別上映、12/12(金)からシネマイクスピアリで公開です。劇場で待ってま〜す♪ 

と、まだ本作に興味がない方のために続けます。
ちょっと映画のタイプは違いますが「セブン」、「ユージュユアル・サスペクツ」といった作品のように本作は“あの展開だったら早く観るが勝ち!”的映画です。そういうドキドキ感を映画で楽しむのってたまらないですね。
しかもそんなミステリーのトリッキーな展開だけでなく、本作は映画を観た後に「夫婦ってなんだ!」ということを何とも言えない感じで考えさせてくれる映画なのです。未婚の私は「結婚怖〜(こぇ〜)!!!!」とブルブル震えました。もう心理的にいろいろ怖すぎです!でもフィンチャーはそれをユーモアも交えてシニカルに語るところがまた凄く良いんです。ハラハラするのに、ちょっと爆笑してしまうシーンもあったり・・・。脚本は本作の原作者であるギリアン・フリンが担当していて、そのシニカルなくすぐりは映画独自のものが多いのですが、脚本家と監督の意図が合致し、本作のテーマを語る上で映画ならではの深みにもなっています。結婚していてもしてなくてもこのテーマはとても刺さります!

 そして本作のキャスティングがまた素晴らしい!妻が失踪し、その容疑がかけられているにも関わらず、何を考えているかどっち付かずでわからない、見た目には良さそうなのに中身がどうも物足りない、そんな夫ニックを抜群なもっさり感で演じるベン・アフレック!(誉めてます!)
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それ以上に本作できっとオスカーの主演女優賞ノミネートは確実なエイミーを演じるロザムンド・パイクも抜群にナイスキャスティング。ロザムンド嬢は自身がロンドン生まれでオックスフォード大卒の才女。元来持つ育ちの良さがエイミーにぴったり!「007」のボンドガールで世に出たロザムンド嬢ですが、ベッピンさんな上にコメディから歴史時代ものまで幅広く演技も出来る割に大役に恵まれていませんでした。が、きっと本作を機にナオミ・ワッツやエイミー・アダムスといった女優陣と肩を並べて引っ張りだこになると思います。
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とにかく一刻も早くご覧になって、この驚愕体験を堪能ください。『ゴーン・ガール』は12/11(木)に前夜特別上映、
12/12(金)からシネマイクスピアリにて本公開です。

By.M
? 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

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