『アクアマン』
今、世界中で大ヒット中の映画がついに日本でも公開を迎えました。今回は2/8(金)公開『アクアマン』をご紹介いたします。
アクアマンはDCコミックス原作のヒーロー。2017年に公開したバットマン、スーパーマンたちがアッセンブルする『ジャスティス・リーグ』では既に登場していましたが、本作が単独作品として初お披露目。なぜに彼はアクアマンになったの?という物語の始まりが描かれるので一見さんも大歓迎!
アクアマンことアーサー・カリー(ジェイソン・モモア)は海底帝国のアトランティスの王女アトランナ(ニコール・キッドマン)と人間の父の間に生まれ、人間として地上で育てられ成長します。やがてアトランティスが人類を征服しようと侵略を始めた時、彼はやむなく立ち上がることになるのです。
当初、“アクアマン”単独映画化を知った時は大丈夫なのか?と一抹の不安はありましたが、現在全米ではこれまで公開されたDCコミックス映画、歴代No.1のヒットとなっている上に配給のワーナー映画全作品の世界興収ランキングでも『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』に次ぐ歴代2位に君臨している、つまり世界中で大ヒット中、面白さはもう折り紙つきな本作。
見かけがかなりワイルドなので構えちゃう方もいるかもですが、映画を観ればとにかくチャーミング、かつ素敵な肉体を持つアクアマンにきっと心奪われると思うんです。体は大きく力持ち、でも心はとっても優しいよというキャラは昔からありましたがまさにそれが“アクアマン”です!
想像以上にアクアマンのキャラが魅力的かつ、きゃわわ~だったことに気分が上がったのでしたが、単純に正義と悪の戦いを描くヒーロー映画じゃない所がポイント!
海底王国アトランティスの正統な王位継承者でありながらも人間として育てられたアクアマンことアーサーは海の生物と意思交流が出来ることがバレてしまうと人間界では苛められ、だからといって海には帰れない、だから自分の居場所を常に探しています。2つのアイデンティティがあるが故に2つの世界の板挟みになり心を痛めるという何ともセンシティブな彼の内面は劇中で丁寧に描かれます。
単純に“アクアマン”かっこいい!海でのアクション、面白そう!と胸躍らせてやってきた子供たち、若者がこの映画に求める楽しさを満喫しながらも、アイデンティティの葛藤、実際現実で起きている民族の争いによる世界の分断の悲劇をこの映画から知らないうちに汲みとることが出来るんです。いや、いや映画自体はザ・ポップコーンMOVIEでとっても明るい映画ですが、さりげに大切なテーマが折り込まれていて私、そこにいたく感動しちゃいました。
しかも資料によると『ワイルド・スピード SKY MISSION』などを手掛けた本作の監督ジェームズ・ワンはマレーシア生まれのオーストラリア育ち、しかもアクアマンを演じるジェイソン・モモアもハワイ生まれのアメリカ本土のど真ん中育ちと二人とも二つの故郷を持っています。そんな二人がこの映画に関わったからこそより伝わる想いもあるんじゃないかな、と。なので私はこの映画に“海洋版:社会的メッセージのある『ワイルド・スピード』”というキャッチコピーをつけました!
この他にも異父兄弟同士の心のすれ違いだったり母が子を思う気持ちだったり、繊細な感情のやり取りが描かれる上に環境破壊についての問題提起までチラリと顔を覗かせます。普段こういったヒーローもの、アクション映画を敬遠する方にこそ観て頂きたいのです。しかも映画の始まりと終わりはアーサーの父と母の愛の物語が描かれ、とってもロマンティック♪あんなビジュアルでこんな映画が観られるなんて本当おったまげです。
DCコミックスの映画化、何だか今後の展開がむちゃくちゃ楽しみになってきましたよーー!!
By.M
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