ウラシネマイクスピアリブログ

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『太陽の塔』

 皆さん、お元気でしたか?すっかりレアキャラ的な出没頻度になりました、男住人Aです。今回、僕が大好きな岡本太郎の映画をご紹介するために久々にやってきました。タイトルはずばり、『太陽の塔』。<キネマイクスピアリ~舞浜で名画を~>作品として、8/14(金)~20(木)の一週間限定上映となります。それでは、写真たっぷりに岡本太郎の世界をお届けします!

 岡本太郎さんと言えば・・・、CMでの「芸術は爆発だ!」というワードやテレビ出演時の風変わりなイメージを懐かしく思い出す方も多いかもしれませんが、そもそもは画家・写真家・彫刻家・建築家など、さまざまな顔を持った大芸術家です。

 岡本太郎氏の代表作のひとつが、1970年の大阪万博(日本万国博覧会)の際に誕生した“太陽の塔”。取り壊しの危機を乗り越えて、今も吹田市の万博記念公園にそびえ立っています。コロナ禍では、赤くなったり黄色くなったりする役割も担ってましたね。特別なライトアップなど不要な世の中が早くやってくることを願うばかりです。

 そんな太陽の塔ですが、2018年3月まで実に48年の間、その内部は閉ざされていました。それがようやく時を越えて復活することとなり、大きな話題を呼んだのが一昨年のこと。この映画も同じ2018年に劇場公開されたのでした。太陽の塔の現在の姿と共に、万博当時の貴重な映像がスクリーンで見られることも本作のお楽しみポイントの一つです。

 さて、この作品は主に総勢29名の方々へのたくさんのインタビュー映像で綴られます。当時太陽の塔の事業に関わっていた方の証言や、川崎市岡本太郎美術館の学芸員さん、他にも糸井重里さん、ダンサーの菅原小春さん、多ジャンルの学者の方などなど。その幅広い語り口にお腹いっぱいになれること間違いなし。

 ちなみに上の写真の下隅っこに映っているのも岡本太郎作品「坐ることを拒否する椅子」。僕の部屋にもこのミニチュアがあります。この下の写真も有名な「明日の神話」。原爆で焼かれる人間や、その悲劇を乗り越える力を表現したと言われる大作で、現在渋谷駅で見ることができます。

 そう言えば、シネマイクスピアリのご近所の浦安市運動公園にも「躍動の門」などのモニュメントがありますね。強いテーマを内包する場合も多々ありますが、実は親しみやすいところもパブリックアートを多く手掛けた岡本太郎さんの特徴ではないかと思います。

 話を映画に戻しまして、本作を撮った関根光才監督は数多くの広告映像やミュージックビデオで活躍した映像クリエイター。だからなのか、本編にときどき挟みこまれるフィクション映像がとにかくカッコイイ!ぜひご注目を。関根監督は『太陽の塔』と同じ2018年に劇映画『生きてるだけで、愛。』も手掛けられました。

 せっかく長い眠りから復活した現地大阪の太陽の塔は、コロナウイルス感染拡大防止のため再び臨時休館が続いていました。が、8月より営業再開したそうです!とはいえまだ気軽に旅行する気分になれない方もいらっしゃると思います。そんな時はせめて映画で旅の予習をしてみるのも一興ですよ。

By.A

【オマケ】
最後に僕、男住人Aが二年前に現地撮影した写真です!オープン当初は今以上に大人気でなかなか観覧予約が取れず、7月にようやく行けた時の感動はひとしおでした。

★モノレールの駅に降り立つとこんな風に頭をチラ見せしてきてそそられます。興奮の瞬間。

★たくさんの花と緑に囲まれた太陽の塔。このシュールさが堪りません。