ウラシネマイクスピアリブログ

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『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』

 この春、有人月探査「アルテミス計画」で二人の日本人宇宙飛行士が月面に降り立つ見通しとなるというニュースが舞い込んできました。人類がアポロ11号で初めて月面歩行したのは遡ること55年前・・・。今回は月面着陸のあったかもしれない!?裏側をユーモアたっぷりに描く、7/19公開(金)『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』をご紹介します。

 時代は1969年、人類発の月面着陸を成功させるためのアポロ計画がスタートして8年が経過。宇宙開発競争にソ連から遅れをとっていたアメリカの打開策はPRマーケティングのプロ、ケリー(スカーレット・ヨハンソン)をNASAで雇うこと。マーケティングテクニックを駆使して奮闘するケリーのやり方にNASAの発射責任者コール(チャニング・テイタム)は反発するが、ある衝撃的なミッションがさらにこれに加わることになる。

 人類初の月面着陸と言えば「(全世界に衛星中継された)あの映像自体がフェイク映像だった!?」と未だ陰謀論がささやかれているのですが、その噂をモチーフに描かれるのがこの映画なんです。予告編はちょっとマジメっぽい感じがするけれど、テンポもよくて王道の洋画作品です。

 さて失敗続きのアポロ計画。その状況で国民の宇宙への関心は薄れ、予算は膨らみNASAは絶体絶命です。でも予算獲得、信頼回復のためにケリーがPR担当としてアイディアをどんどん出して周りを巻き込んでいきます。その様子はお仕事映画としても楽しいし、スカーレット・ヨハンソン扮するケリーの60年代ファッションも抜かりなしで目にも楽しい。

ケリーはとにかくイメージ戦略に赴きを置いて仕事を推し進めるので、現場畑で実直なコールとは衝突ばかりなのですが、二人とも自身の仕事に誇りを持っているから徐々に歩み寄りをみせていき、ケリーの作戦が功を奏してアポロ計画は再びアメリカの、いや世界中の注目の的になっていきます。

 そして「この勢いで成功させるぞ!」となった時、万が一に備えてのまさかのプランB作戦が発動されるんです。この映画、ここまでの展開はある程度予測は出来る展開ではありますが、このプランB作戦を極秘に進めねば・・・というところからが本番です。ハプニングに次ぐハプニングにドキドキ感が増し、からの予想外のクライマックスが最高~!もちろん、このミッションはフィクションですが「あったかもしれない・・・」と思わされちゃうぐらい、よい脚本です!

今のアメリカは国内の分断が進んでいて(余計なお世話だけど)心配になる側面もありますが、だからこそ、こういう映画も求められるんだろうな、と思ったり。だって団結する力がないと圧倒的な夢も掲げられないし、成し遂げられないですもんね。私が子供だった時に掲げられていた“アメリカンドリーム”ってこういう想像もし得ない胸が高鳴る夢の現実化だったようにも思えます。現実は色々厳しめですが、映画からもう一度、純粋に夢を見る力を取り戻したいですね。

 さて、果たして日本人初の月面着陸はどのように中継されるのでしょう?映画館でライブビューイングとかあっても楽しそう!

追伸、
『クワイエット・プレイス:DAY1』に続き、素晴らしき哉、にゃんこ映画です。

By.M