ウラシネマイクスピアリブログ

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『ツイスターズ』

 100年に1度の異常気象というワードが毎年のように飛び交う昨今、日本でも巨大竜巻が!なんてことが起きてしまう日が来てもおかしくないのか?と想像してしまい、私は震えております。
今回ご紹介するのは8/1(木)公開『ツイスターズ』です。

 舞台は史上最大規模の巨大竜巻が多発するオクラホマ。気象学者でありNYの気象予報機関に勤務するケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は学生時代の友人ハピ(アンソニー・ラモス)ら率いる開発チームと共に巨大竜巻への対策を講じるため、ケイト自身の故郷でもあるオクラホマに向かう。そこにはタイラー(グレン・パウエル)率いる“竜巻(ストーム)チェイサー”と呼ばれるYouTuberたちの存在も。スタンスは全く異なる彼らだったが、共に竜巻破壊計画に立ち上がる。

 こういう作品は映画館の大きいスクリーンで体験するに限る!というジャンルであるのは一目瞭然。気軽に映画館へ行って、ポップコーン片手に難しいことなしでとにかく楽しむ!そんな気持ちを100%満たしてくれるのがこの映画なんです。しかもB級映画なフリをして!?その実、骨組がしっかりした作品なので観た人の満足度がとっても高いんです。(私周辺調べ)

 双子の竜巻、炎を巻き込んだ火柱竜巻、富士山級に大きな竜巻と様々な種類でやってきて、それがVFXだとわかっていてもスクリーンに登場する度にその威力に圧倒されるばかり。こんなに毎日暑いのに、この映画を観ていると体感温度が下がってくる感覚になるほど。そう、納涼映画という一面も!?

 加えて、竜巻に立ち向かう人間たちもしっかりキャラ付けされていてるところがいい。ケイト率いる研究者VSタイラー率いるYouTuberという図式で最初は反目し合う2つのグループですが、竜巻に畏怖の念を抱きながらも、その魅力に憑りつかれ、でも自然災害の被害に遭う人たちには手を差し伸べる、同じ志を持つもの同士。いつしか人助けのために共闘していく感じがよき。

 またメインキャラの1人、タイラーを演じるは『トップガン マーヴェリック』の“ハングマン”で一躍注目を浴びたグレン・パウエル。調子良さげで軽薄男に見えるけどどこか憎めないヤツというキャラクターがまたピッタリでこの映画のチャームにもなってます。ケイトを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズ(『ザリガニが鳴くところ』)と共に、ネクストスター的な輝きを放つ二人のバランスもよき。その関係性にLOVEコメ要素を入れつつも基本、バディ感を強めに描くところもいいね!

 そして『ツイスターズ』というタイトルを聞いて、「おや?」と思ったそこのあなた。そう、本作はスピルバーグ総指揮、ヤン・デ・ボン監督『ツイスター』(1996)の続編、という立ち位置でもあります。90年代前半は『ジュラシック・パーク』を始め、VFXを駆使した金字塔的映画が続々登場していた時期。そこから本格的なディザスターMOVIEも作られるようになり『ツイスター』はその代表格と言えましょう。今でも牛が竜巻に巻き込まれ空中を飛んでいくシーンは私の脳裏に鮮明に焼き付いています。
続編と言いつつ、繋がりはないので“ジャンル映画の継承”とでも申しましょうか。

 圧倒的な映像はもちろん、気候変動への警鐘的メッセージも描き、その役目をしっかり果たして「ディザスター映画、かくあるべし」という満足感でいっぱいになることをお約束します。

By.M