『ルーム』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。春休みは終わり新学期、新年度がスタートしましたが、これから映画業界はゴールデンウィークに向け、また魅力的な作品が続々と公開になります。今回は本年度アカデミー賞作品賞、監督賞ほか4部門にノミネート、見事主演女優賞に輝いた4/8(金)公開『ルーム』をご紹介いたします。
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 ママ(ブリー・ラーソン)は7年前に誘拐、監禁され、この[部屋]でジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)を出産。彼は生まれてこの方、外の世界に出たことがなく、この[部屋]だけが世界だと信じています。ある日、ママはついにここから脱出することを決意します。失くしたものを取り戻すために、ジャックに本当の世界を見せるために・・・。
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 あらすじだけを聞くと、監禁された親子の壮絶な逃走劇、といったサスペンスチックな怖い映画なのかな、と思う方もいらっしゃるようですが、前半は[部屋]の中しか知らない息子に一生懸命愛情を注ぐ母の姿を息子の眼差しを中心に描き、物語の後半は親子が[部屋]から脱出した後のことが描かれ、それこそが本作のテーマとも言えます。
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 この映画をちゃんと知っていなくても"子役の子の演技が凄い"映画というので何となく知っているよ、という方も多いと思います。その通りでジャックを演じるジェイコブくんの演技は、噂以上に本当に凄い!健気に一生懸命生きているジャックを見るにつけ、なんとか二人がこの[部屋]を出られる日が来るようにと観客も必死に祈りながら見続ける訳ですが、あるきっかけでついに彼は外の世界への脱出に成功するのです。初めて知るどこまでも広がる空、眩しい太陽の光。そんな我らにとってごくありふれた[世界]に戸惑い、恐怖を感じながらも必死に助けを呼ばなければと行動しようとするジャック。当時ジェイコブくんは8才だったそうですが、もうその演技力たるや!映画の前半と後半を繋ぐ重要なこのシーン、間違いなく主演男優賞受賞級!!
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そして、ついにもとの[世界]に戻ることが出来た二人。でもめでたし、めでたし、となる訳もなく、ここからが本番と言わんばかりに二人に現実が襲いかかるのです。奪われたものを取り戻そうとする二人。でも二人に、特にママにとって失くしたものは一生取り戻せないものばかりなのです。誘拐されたことで一方的に失った時間、あるハズの想い出・・・。元の現実になかなか適応出来ないママに比べて、水を吸収するスポンジのように[世界]を学んでいくジャック、その対比が時に残酷に見えることも・・・。
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加えてマスコミや世間からの興味本位の視線を受け、[部屋]からやっと解放されたにも関わらず、皮肉にもママは心の中の[部屋]という監獄に囚われてしまうのです。でもそんなママの心はジャックの一言、一言で次第と解き放たれていきます。守られる側だったジャックが期せずしてママを守る側へと立場を変えていく。子供の成長って凄いんだな、と純粋に思えるシーンとなっています。

 そんなジャックの演技が特に話題となっている本作ですが、アカデミー賞ではママを演じたブリー・ラーソンが主演女優賞を受賞しました。ジェイコブくんの演技があんなにも輝いていたのは彼女の存在がジャックのママそのものだったからですし、こういう一見地味な演技が出来る人にこそ高い演技力が備わっていると思うのです。(シネマイクスピアリでも上映した)「ショートターム」で既にその才能を評価されていた彼女は本作を機に、ハリウッド第一線女優になりました。今後の彼女の出演作にも期待大です。
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 二人は[部屋]から解放されましたが、これからも彼らを取り巻く現実が彼らにとって優しいものである補償はありません。それでも、人は自分でない誰かとの繋がりでもってゆっくり前へ進むことが出来る、そう願わずにはいられないのでした。

★おまけ★
 本作の公開を記念してママ役を演じたブリー・ラーソンさんとジャック役のジェイコブ・トレンブレイ君が来日してくれました!その模様を最後にご紹介します。
ジェイコブ君の『ブリーと僕とで出来る限り皆さんの質問に答えます』という頼もしい挨拶を皮切りに記者会見はスタートしました。
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 本作が世界中で評価されている理由については、『この映画は何かリスクを負うことによって余すことなく人生を生きるということを覚えていく物語です。これはどの年齢の人にも起きることなので心動かされるんだと思います。それに感動的な愛が描かれているからでしょう。』と答えたブリーさん。

映画を初めて観た時の感想を求められるとジェイコブ君は「演技をしていると自分の目でしか見てないからカメラが何を撮っているかわからないんだ。でもいろんなアングルで撮られたものが、音楽をつけられ、編集されて映画になったものを観られて、とってもクールだったよ。」とコメント。

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ジェイコブ君がしゃべる時、手持ちのマイクが定まらず、うまく音声が取りきれない時、ブリーさんがそのマイクをしっかり握ってあげたり、位置をずらしたりと気にかけている様は本当に親子みたいなんですよね。

アカデミー賞の授賞式にも参加したジェイコブ君は「ブリーが主演女優賞を受賞した時が特にお気に入りの瞬間だよ。授賞式はXboxで遊ぶよりも面白かったし!』とコメントし、場内を和ませていました。

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 前日のプレミアでは赤いスーツがお似合いだったジェイコブくん。アクセサリーを無駄につけないブリーのスタイリングもまた素敵!
ゲストとして登壇された菅野美穂さんもジェイコブくんにメロメロなのでした。

By.M
©ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

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