皆さん、こんにちは。夏と言えば「あなたの知らない世界」で育った昭和世代な女住人Mです。今回ご紹介する映画はこの夏一番のピュアな感涙映画7/28(金)公開『君の膵臓をたべたい』をご紹介します。
高校時代のクラスメイト桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師になった【僕】(小栗旬)。彼は教え子と話すうちに12年前のことを思い返す・・・膵臓(すいぞう)の病を患う桜良が書いていた「共病文庫」と言う名の闘病日記を見つけたことから彼女と仲良くなり、【僕】(北村匠海)はたくさんの時間を過ごしたことを・・・
「君の膵臓をたべたい」。一見、ホラー的なものを想像させますが、タイトルとストーリーとのギャップで話題を集め、2016年本屋大賞2位ほか、話題をさらったベストセラー小説の映画化が本作。
重い病を患いながらも、周囲にはそれを隠し、普段は明るくクラスの人気者な少女と友達もあまりいない地味メンな僕。性格は正反対だけれど、同じ図書委員になってしまったり、デートのようなものをしたり、ついには「死ぬまでにやってみたい!」とお泊りデートに付き合うハメになったり・・・。でも秘密を共有し、誰にも言えないことを話せる唯一の他者という関係性が育まれることで、二人の間には友情とも恋愛とも言えない、柔らかく、かつ確かな感情が芽生えていきます。
通常、この手の話だとへそ曲がりな大人たちは「お涙ちょうだいモノだな」と構えてしまいがちですが、本作は何と言っても桜良と【僕】を演じた二人の若手キャストの若々しさそのものが武器であり、魅力。
特に【僕】を演じる北村匠海くんは多くを語らないけれど、自分を持って、でも未知な存在の女の子には照れるし、翻弄される、そんな青年をまさに等身大で演じて好感度大です。おそらくほとんどの方が主演二人をこの映画で知ることになるので、そういったフレッシュさでもって、色眼鏡なく映画の世界観に没入出来ると思います。キャスティング、大事!
そして"重い病に侵されて・・・"という設定にだけ囚われた映画だと、それこそ「お涙ちょうだいモノ」で終わってしまいます。でも桜良も【僕】も今、目の前にいる他者に、自分に真っ直ぐで一生懸命なので、そうあろうとするので、観た人の心をとらえるんだと思います。
誰しも明日がどうなるかわからない、限りある時間の中で生きているということからは逃れられない、だからこそ誰もが今を生きるしかない。若い二人にはそんな現実からは遠くにいてほしい、死の気配からは遠ざかってキラキラしてほしいと望んでしまうのですが、そんな大人の軟な心配は他所に、二人は今をちゃんと生きようします。 "一人"を感じていた人間が、誰かと感情を共有することで他者との関わりを見つめ、今を生きる決意する、そんなところにジ~ンと心打たれました。
原作では小栗旬さんが演じる大人になった【僕】は登場しないそうですが映画では昔を回顧する目線が物語を運ぶので、大人だからこそ共感し、味わえる郷愁が・・・・・
そしてラストに流れるミスチルの主題歌・・・思う存分、号泣してください!
By.M
©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会
©住野よる/双葉社