みなさんこんにちは。お別れと始まりの季節・春にちょっとおセンチな女住人Mです。
今回ご紹介する映画は本年度アカデミー賞作品賞ほか4部門ノミネート、助演女優賞受賞の『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』です。
舞台は1960年代前半のアメリカ。公民権運動が盛んになった時期ですがアメリカ南部、ここミシシッピ州ジャクソンでは未だ人種差別がまかり通っています。作家志望のスキーター(エマ・ストーン)は白人社会で虐げられている“ヘルプ”(=黒人メイドたち)の境遇を知り「これおかしくない?」と違和感を覚え、メイドたちにインタビューをし、それに基づく本を書こうとします。最初は思うようにはなりませんが、スキーターの思いは次第とメイドたちの心を動かし、それは社会を変える大きなうねりへと変化していくことになります。
(左:スキーター、中央:ミニー、右:エイビリーン)
本作は黒人メイドで心優しいエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)と皮肉屋だけど料理上手なミニー(オクタヴィア・スペンサー)とスキーターの友情の物語でもあり、差別問題を扱うからと言って決して重苦しい訳ではなく、あけっぴろげでかつユーモアをふんだんに盛り込みながら物語は進みます。
メインテーマは黒人メイドに向けられる差別ですが、スキーターちゃん自身、若くして結婚して、家庭に入り、メイドに育児は丸投げして、社交にうつつを抜かす同性代の女性たちとは異なり、「恋人?結婚?うんや、仕事したい!作家になりたい!」と思っているキャラなので地元では浮きまくりです。スキーターちゃんの同級生でこの町のリーダー格ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)もそんなスキーターちゃんを蔑んで見てるし、自分の元彼と結婚したシーリアが気に食わないので仲間はずれにしたり・・・。誰かをいじめたり、誰かにいじめられたり、こういう差別問題と言うのは結局私たちの日常にどこにでもあるので、この映画は私たちにとっても決して遠くの物語ではないのです。
本作では、アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされたメイド役のヴィオラ・デイヴィスや助演女優賞を受賞したオクタヴィア・スペンサー、ヒリーにいじめられるシーリアを演じ助演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステインの演技が見所であることはもちろん、次世代のコメディエンヌとしても注目されているスキーターちゃんを演じたエマ・ストーンや嫌〜な女ヒリーを演じたブライス・ダラス・ハワードの演技も抜群で、女優陣のアンサンブルの良さが光ります。
(エマ・ストーン、ちゅ〜も〜く!!今後さらにちゅ〜も〜っく!)
個人的ではありますが、ブライスって何か嫌いだったのですが、前作の「50/50」に続き、私がブライスに求めている性根が悪い?!女性を嫌味たっぷりに演じ「わかっとるやないか」と言う所で逆に“信頼出来る女優”へとその存在を認める程になりました。(って、どれだけ上から目線なんだ。ブライスファンの皆さま、すみません!)そんな彼女が酷い仕打ちをしたメイドに逆襲されるシーンは映画史に残る爆笑シーンです。天晴れ!!
(「私が性根が悪い女って、それ心外じゃない?」By.ブライス)
4月になると、新しい世界に踏み出す人も多いと思います。なんかちょっと怖気づくな〜、と言う時にこの映画を見ると、小さな一歩を踏み出す勇気が貰えるんじゃないかな、と思います。その一歩はきっとスキーターちゃんたちが踏みだした一歩のようにいつしか大きな変化を導いてくれるかもしれません。『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』は3/31(土)公開です。
By.M
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