話題の新作映画: 2016年3月アーカイブ

『リリーのすべて』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。春休みに入りファミリー向け映画が増える時期ではありますが、大人向けの映画も続々公開されます。これから4月にかけて、アカデミー賞を賑わせた作品も登場。今回は本年度アカデミー賞4部門ノミネート、助演女優賞を受賞した3/18(金)公開『リリーのすべて』をご紹介します。
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 本作はアカデミー賞監督「英国王のスピーチ」、「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー監督が、昨年「博士と彼女のセオリー」で主演男優賞受賞したエディ・レッドメインを主役に据え、「レ・ミゼラブル」に続き彼とタッグを組んだ作品として公開前から話題になっていました。しかも題材が世界で初めて性別適合手術を受けた人物の実話に基づいたもの。

 エディが演じるのは風景画家として才能を評価されていたアイナー・ヴェイナー。妻のゲルダ(アリシア・ヴィカンダー)は肖像画を専門にする画家。ある日、急に来られなくなった女性モデルの代役をしたことを機に、アイナーは自分の内側に潜む女性の存在に気付きます。それ以来"リリー"という名の女性として過ごすことが増え、心と身体が一致しない自分に困惑するアイナー、夫が夫でなくなる不安に駆られるゲルダ。それでもゲルダはいつしかリリーこそがアイナーの本質であると理解するようになっていきます。
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 トランスジェンダーという言葉や概念が確立していなかった1920~1930年代を舞台に描かれた本作、男性として生まれながらもあるきっかけで本当の自分に目覚めた主人公という難しい役どころをオスカー俳優エディが繊細に演じています。アイナーとして妻と仲睦まじく過ごしていたエディはイケメン男子、でも自分の中の女性に気付き、リリーとしてドレスを纏い化粧をし、街に出かけるようになる、その美しさ、可愛らしさといったら・・・。所作、雰囲気、感情の揺れ、全てがもう"Lady"なリリーにうっとりどころじゃありません。オスカー受賞を機に人気急上昇なエディ、ファンの皆さまにとっては2ver.の美しいエディを堪能出来ると言う所もポイントであり、何より役者というこの職業の素晴らしさをエディの演技によってまざまざと見せつけられるかのようです。
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 物語は初めて性別適合手術をしたリリーがありのままの自分を貫く人生を得る・・・的なことにフォーカスされ描かれている印象もあるでしょうが、実はそんなリリーを支えた妻ゲルダの存在こそが本作のテーマであると思います。ゲルダは当初、アイナーが女装をすることは単に芸術家の遊びだと感じています。でも次第とそれが彼の真の姿、彼が望んでいることと知り、それ故彼自身が誰よりも戸惑い、苦悩していくことに心を痛めます。
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もちろん、自分が最も愛している人が夫という存在ではなくなっていくことにゲルダもやり場のない気持ちを抱え、心を痛めます。でも本当に愛し合っているからこそ、ゲルダは自分の苦しみより、夫の苦しみを優先し、夫アイナーがリリーとしての人生を得るために自分は何が出来るのか、ということを真剣に考えるようになります。

 この映画では"愛する"ということを究極的に描いてはいますが、そこから浮き彫りになる"無償の愛"の本質を描こうとするところに観客は心を打たれるのだと思うのです。リリーとなった夫を尊敬し、尊重し、妻から同志のような存在でリリーを愛するゲルダを演じたアリシア・ヴィカンダーの演技は心から胸を打たれます。この映画の主役はリリーというよりゲルダ、そう感じさせられるぐらいの存在感。そして彼女は本作で今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞することになるのです。納得!!
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私の大好きな岡村(靖幸)ちゃんも常日頃「愛は貰いたがるだけではダメなんだよ」と歌っていますが、本作でもそれを痛感したのでした。愛するって難しいですね。

By.M
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 皆さん、こんにちは、女住人Mです。さて毎年このブログで"総括の巻"としてシネマランキングを発表していますが、昨年の第4位に「ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~」を選ばせて頂きました。ひつじのショーンを製作しているアードマン・アニメーションはクレイ(粘土)&ストップモーション・アニメーションで知られています。本年度のアカデミー賞の長編アニメ賞にもノミネート。ご存知の通り受賞したのはディズニー/ピクサーの「インサイド・ヘッド」でしたが、次点はきっと「ひつじのショーン~」だったと思います!そんな"ひつじのショーン"シリーズが早くもスクリーンに再登場です!
今回ご紹介する映画は『ひつじのショーン スペシャル~いたずらラマがやってきた!~』です。
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 昨年「ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」公開時にこのブログで紹介した通り、キャラクターたちは粘土を利用し作られ、ストップモーションアニメなので1コマずつ動かしそれを撮影し、25枚撮ってやっと1秒の映像になっています。だいたい1日で6秒ぐらいの映像にしかならないそうで、制作期間は気が遠くなる程かかります。昨年映画が公開されすぐ第二弾というのは物理的に厳しい・・・という訳で?!本作はTVシリーズで人気を博した「ひつじのショーン」のベストセレクション5本に加え新作TV作品「いたずらラマがやってきた!」をスクリーンでお披露目、という内容です。
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なので、もともと映画館で楽しんで貰うために作られた「ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」と比較するとコンパクトな作りになっていますが、"ひつじのショーン"の入門編としてはピッタリですし、傑作選なのでおいしいとこ取り!私のような"ひつじのショーン"ファンにとっては、大きなスクリーンでショーンたちの活躍が観られるのは何とも嬉しい限りなのです。だって、可愛いんだもん、だもん。
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 そして、TVシリーズ用に作られているとは言え、そこに傾けられている愛情や労力が損なわれている訳ではありません!どんな尺であろうと、25コマ分がやっと1秒の映像になるのは変わりませんし、TV用に尺が短い分、物語やショーンたちの魅力はそこに見事に、本当に見事にギュっと詰まっているのです。作り手たちの愛情がどれだけのものか、というのは出来上がったものを見れば一目瞭然です。
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 日本で「ひつじのショーン」はEテレの子供向け番組として放送されていますが、子どもと一緒に見ていたら自分も好きになったしまった・・・というパパさんがうちの劇場にもいますので、侮ってはいけません。今回はTVシリーズベストセレクションなので本編尺は約1時間とコンパクトな上に大人・大学生1300円/中小900円とお得なプライスです。昨年公開された「ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」はブルーレイ+DVDセットが発売中なので、そちらもオススメで~す!

 「ひつじのショーン」は昨年で誕生20周年、『ひつじのショーン スペシャル~いたずらラマがやってきた!~』は3/5(土)よりシネマイクスピアリにて公開です。いや~、もうショーンたちが可愛すぎて売店でグッズをたくさん買ってしまいました。
もうショーンたちったら恐ろしい子!笑

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© Aardman Animations Ltd 2015

『幸せをつかむ歌』

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 皆さんこんにちは、女住人Mです。2月29日(日本時間)にアカデミー賞の発表がありましたね。今年もいろいろなドラマがありつつ、一番の話題はレオナルド・ディカプリオ、悲願のオスカー受賞でしょうか。オスカーを受賞した作品のいくつかはシネマイクスピアリで上映中、もしくは今後上映が決定していますので是非スクリーンでご堪能ください。さて、今回ご紹介するのはアカデミー賞常連女優と言えば・・・で多くの方が思い浮かぶこの方の最新作をご紹介します。そう、メリル・ストリープ主演の『幸せをつかむ歌』です。
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 どんな役がらでも全て自分のものにしてしまうメリル・ストリープ。料理上手な主婦やマーガレット・サッチャー、はたまた魔女まで自由自在に演じるメリルの今度の役はロック・シンガーのリッキーです。彼女は母という立場と自分のやりたい夢(=音楽)を天秤にかけ、自分の夢をとった女性です。売れっ子にはなれなかったけれど、今でもバーのステージで歌い続けています。そんな彼女が離婚で傷心な娘ジュリーを励ますために20年ぶりに家族の元に駆けつけるのですが、母親らしいことはずっとしてこなかった上に、ジュリーにとっては自分を捨てた母親。二人の距離がすぐに近くなることはありません。漂うのは"何を今さら・・"感なのです。
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 でもリッキーもそんなことは百も承知。自分の生き方に罪悪感がない訳ではないけれど、それを今さら変えられないし、ましてや過去の自分の行動は変えられない。自分の娘はやっぱり大事だし、今から何か出来るなら彼女の助けになりたい。でも自分には出来ないこともある。だからやれることをやっていくだけよ~、というスタンス。それがリッキーなのです。自分の母親がリッキーみたいだったら正直困るな~、と思わなくもないですが、ジュリーも我らもいっぱしの大人ですし、自分の母親が自分のために何かを犠牲にするのもな~とか、ここまで自分を持っている母親を前にしたら、周りの方が受け止めちゃうよな~と思ったり。こう考えちゃうのもメリルの演技に圧倒されている証拠なのかもしれません・笑
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リッキーはいささか極端な母親だとは思うのですが、「じゃあ母親は自分のやりたいことを純粋に求めちゃダメなの?」と彼女が吐露する時、「女だって、母親だって、ほしいものはほしいと言っても良いじゃないか、幸せに強欲ってそんなに悪いこと?んなことないぜ~!」とリッキーの歌に合わせてついつい心のこぶしを上げてしまう自分がいたのでした。これもやっぱりメリルの演技のなせる技?!さすがオスカー常連女優!
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(リッキーの息子は「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」ほかのバッキー・バーンズことウィンター・ソルジャー役で人気急上昇のセバスチャン・スタンが演じてます。注目!)

そして長い人生、取り返しがつかない失敗をしてしまうこともありますが、人生は一度失敗しても終わりじゃない。終わらせてしまうのは自分だから、終わらせないようにすることが出来るのも自分だぜ~、とリッキーの叫びに感化され、これまた心のこぶしをあげてしまうのでした。
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リッキーの娘ジュリーを演じるのはメリルの実の娘メイミー・ガマー。本当の母娘だからこそ滲み出るやり取りも注目です!
"メリル劇場"を心ゆくまま堪能出来る『幸せをつかむ歌』は3/5(土)からシネマイクスピアリにて公開です。

By.M
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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