ウラシネマイクスピアリブログ

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『花嫁はどこへ？』

M（コジレ島の女住人） │ 2024/10/17

　ここ数年でインド映画が空前のブーム。興味はあるけどまだその波に乗れてなかった方、歌って踊る映画がちょっと苦手・・という方にもおススメなのが今回ご紹介する10/4（金）『花嫁はどこへ？』です。

　舞台は2001年の北インド。混雑する同じ電車に乗った花嫁のプール（ニターンシー・ゴーエル）とジャヤ（プラティバー・ランダー）はそれそれ花婿の家へ向かっていた。が、同じ赤いベールをかぶっていたため、プールの夫・ディパーク（スパルシュ・シュリーワースタウ）がジャヤを間違って家に連れて帰ってしまい、置いてきぼりになったプールは途中下車した駅で途方に暮れてしまう・・・果たして二人の花嫁は無事に夫の元に戻れるのか？

　と「そんなことあるんかーい」な設定なのですが、未だ身分制度が残り、お見合い結婚が多くを占めるインドの地方では相手のことを理解せぬまま嫁ぐ、なんてことはあるからこういうハプニングが起きないとも限らないようで・・・

　プールはずっと受け身の人生を送ってきていたから、夫の家の住所も連絡先さえもわからず、そしてジャヤは夫の元に戻りたくない理由があったため、二人はなかなかあるべき人生に辿り着けません。

　プールはきちんと家庭を支えたいという思いがあり、ジャヤは結婚しても自立して生活したいと願っている。タイプは違うけれど、自分の思い描く幸せに真っすぐな二人はあり得ないハプニングをきっかけに自分のHAPPYを掴み取るべく悪戦苦闘します。

　でも決して彼女たちは自分の力だけで幸せを掴んでいくんじゃない。周囲のちょっとした思いやりの積み重ねも二人を動かす原動力になります。だから二人に関わった人々も彼女たちとの出会いを機に新しい始めの一歩を踏み出すところがまた何とも爽やか♪

脇役キャラの人生にもそれぞれちゃんと光が当てられるし、プールとジャヤの生き方をどちらも肯定する優しさがまたいい！
だからこの映画は多くの方の心に刺さり、観るだけで晴れやかで元気な気持ちに溢れると思うんです。

　随所に散りばめられている素敵なセリフの数々にも注目だし、インドカルチャーも学べて一石二鳥。本作は本年度アカデミー賞インド代表にも選ばれ、そのクオリティもお墨付きです！



By.M

(C)Aamir Khan Films LLP 2024 / 「花嫁はどこへ？」(C)Aamir Khan Films LLP 2024

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