『ウィキッド ふたりの魔女』
舞浜界隈の皆さんなら絶対好きに違いない!と公開前から大ヒットが予想されていた作品がついに始まりました。今回ご紹介するのは3/7(金)公開『ウィキッド ふたりの魔女』です。

魔法と幻想の国オズにあるシズ大学でルームメイトとなったエルファバ(シンシア・エリヴォ)とグリンダ(アリアナ・グランデ)。見た目も性格も全く異なる二人は最初こそウマが合わず衝突するも次第に友情を深めていくことに・・・でもこの出会いが彼女たちの、そしてオズの国の運命を大きく変えることに・・・。本作は『オズの魔法使い』に登場する後の“西の悪い魔女”と“善い魔女”の出会いを描くファンタジーミュージカルです。

久しぶりに発令する「私のオススメなんてどうでもいいので、とにかく早く観に行ってください」案件の登場です!「オズの魔法使い」を知らなくても大勢に影響はありません。(私調べ)本編は前後編にわかれ、前編は2時間40分と長尺ですが、それに怯む必要全くなし。ミラクルファンタジーワールドへ誘われ、気付けば映画が終わる、体感2時間ですね(私調べ)。それだけでなく圧倒的な完成度を前に観終われば「今からすぐにでも後編を観たいんですけど」となるに違いない。間違いない!

褒めることいっぱいあって、何から手を出せばいいのやらですが、先ずは何と言ってもキャスティングが最高!誰よりも優しく聡明でありながら緑色の肌をもち周囲から誤解されるエルファバと誰からも愛される人気者のグリンダ、それぞれを演じるシンシアとアリアナの演技、歌唱がもうただもんじゃない。共に舞台版『ウィキッド』に魅せられこの役を並々ならぬ思いでゲットしたこともあって、二人のパッションがそのまま画面から伝わってくるんです。もうそれだけで感動なんです。(学園コメディ風な物語前半におけるアリアナのコメディエンヌっぷりも最of高!)

今回、『ウィキッド』を映像化することを任されたのはジョン・M・チュウ監督。同じミュージカルの映像化というお仕事を『イン・ザ・ハイツ』でもやってのけてますが(<キネマイクスピアリ>4月の作品として4/11~17で上映決定)、本作においてもそのセンスのよさが爆発。ミュージカルシーンが始まるや否やスクリーンが魔法にかけられたように輝き、躍動感に溢れ、多幸感に包まれ、これよ!これよ!と観ている者の心拍数も高まっちゃいます。

でもそんなHAPPYオーラ全開なだけの映画ではありません。反発し合ってはいたけれど “孤独”を抱えているという意味では似た者同士だった二人がだからこそ相互の違いを受け入れ、心通わせ、高め合っていく様は胸を打ち、人生で初めてのかけがえのない出会だったのに、自由を手に入れるために違う道を選ばざる得ない、その展開がとにかく切ない・・・。(それも二人の演技が繊細で素晴らしい!ということにも繋がります)

またカラフルで華やかなオズの国で起こる事件も現代に通ずるメッセージ(差別、分断、ポピュリズムの台頭など)が織り込まれていて本作が単なるファンタジー映画ではないということにハっと気付かされることも暫し。このあたりはおかわりをすることでより理解も深まる気がします。

とにかく人気舞台の映像化としてこれ以上ないという出来だと思います。残念ポイントは後編となる『Wicked: For Good』(邦題未定)が全米ですら今年11月21日公開なので、続きがすぐに観られないことぐらいか?観終わって高まる気持ちを抑えられないと思いますので、その分たくさんおかわりしてその日をお楽しみになさってください♪
※イクスピアリ内&シネマイクスピアリ3Fコンセ横ショウケースの装飾もチェケラ!
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