こんにちは、女住人Mです。映画の宣伝では、ネタバレ厳禁!結末他言無用!的な煽りを入れる作品がありますが、今回ご紹介する作品もそういった類の映画、"ドンデン返し"と言えばこの人、M・ナイト・シャマラン監督最新作5/12(金)公開『スプリット』です。
ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は友達がいない孤独な女子高校生。クラスの人気者クレアの誕生日パーティーに誘ってもらい、彼女のお父さんに車で送って貰う途中、同乗していたマルシアと共に正体不明の男(ジェームズ・マカヴォイ)に拉致、監禁されてしまいます。そしてその誘拐犯は23もの人格を持つサイコ野郎だったのです!
さて、"シャマラン"と聞くとある時期からもう旬が過ぎた人・・的な認識もあったかもしれませんが、先ずそういう概念を捨てていただくことから話を始めましょう。確かに、シャマランは「シックス・センス」の大ヒットを機に人気監督になったもの、途中から暴走が止まらず、多くの観客が置いてきぼりになった時期やシャマランらしからぬ作品を作った時期もありました。しかし、シャマランは前作『ヴィジット』(2015年)で完全復活を遂げているのです。なので蘇ったシャマランを堪能いただくために、気持ちと時間に余裕がある方は是非ともこの「ヴィジット」を観て頂きたい!そんな面倒なことを勧めるぐらい「ヴィジット」傑作です!
そして肝心の『スプリット』、前述したようにシャマランお得意のラストにまさかの・・・という展開があるので何も語れません!笑
言えることはシャマランの練られたストーリー展開を体現する役者たちの演技が本当に素晴らしいこと!!特に23人もの人格を持つケビンを演じるジェームズ・マカヴォイが凄すぎる!「ナルニア物語」のタムナスさん役でまろやかイケメンとしてファンの心を鷲掴みにし、一躍トップ俳優に。昔は風貌を活かした王子様風な役も多かったのですが、途中から彼の突出した演技力を求めキャスティングする監督が多く、シャマランもきっとそれを狙っての起用だったと思います。
マカヴォイはケビンの中に存在する9歳の少年からエレガントな女性、デザイナー志望の男性と演じるキャラの振れ幅はありまくりなのに、どれも恐ろしい程に演じ分けていて、ロバート秋山(のクリエイターズ・ファイル)も驚愕のマカヴォイ劇場が繰り広げられるんです。本作の終盤に登場するあるキャラを演じる時のマカヴォイは特にどうかしているぐらい凄い!!役者って本当にすげぇ~、と声に出しそうになりました。
加えて、ケビンに誘拐されるヒロイン・ケイシーがまた良い!一緒に誘拐されてしまい泣き叫ぶだけの友達とは一線を画し、ケイシーだけは冷静で、時に機転を利かせ反撃に出たり、うまくケビンを丸めこもうと画策します。ケイシーを演じるアニヤちゃんの目がまたとても魅力的で、心を閉ざしているからいつも伏し目がちだけれど、目が大きくうるんでいるのでどこか謎めいているし、表情の一つ一つに悲しみがにじみ出るんです。
そして物語が展開するにつれ、彼女が抱える闇の片鱗が徐々に想像出来るようになり、ケビンを始め、物語でキーポイントとなるキャラは全て"孤独"という共通点の中である意味繋がっていくのです。奥にあるテーマはとても切なく、悲しい・・・。
でもそこはシャマラン。そういう悲しみをストレートに描かない。それが終盤のまさかの展開へと広がりをみせて行くんです。
シャマラン、勝負に出たな!
挫折を経験し、一皮むけたシャマランの快進撃はまだまだ続くのでした。
★シャマラン監督&ジェームズ・マカヴォイ来日の模様もお届け★
本作の公開を記念して監督とジェムズ・マカヴォイさんが来日!映画を観終わった後のお客様とネタバレ解禁トークを繰り広げるイベントに参加してきました。2年ぶり7回目の来日のシャマラン監督は「今回はコミック本を買いたいんだけどどこか良いところ知らないかな?」と観客に尋ねたり・・・。
9年ぶり2回目の来日となったマカヴォイさんは来日中に誕生日を迎え、当日はロボットレストランに行ったそうで「これまでで一番クレイジーな誕生日を過ごしたよ。でも外国人ばっかりで、日本の人は行かないの?」とコメント。そして観客みんなでマカヴォイさんに「お誕生日おめでとう」と祝福され「Thank you、Thank You!」と笑顔で答えていました。
マカヴォイさんは今回1週間近く日本に滞在されていたようで、シャマラン監督も大の日本好き、また私たちの予想を裏切る映画を作って来日してほしいですね。
By.M
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