梅雨に逆戻りな天気が続いていますが、どうせ暫くするとうだる暑さが戻ってきますよ。こんにちは女住人Mです。
今回は残りの夏をぶっ飛ばせ!本年度ベスト級にオススメ!8/19(土)『ベイビー・ドライバー』をご紹介します。
iPodで音楽を聴きながら、天才的なドライビングテクニックでもって犯罪者の逃亡を助ける"逃がし屋"、ベイビー(アンセル・エルゴート)。そんな彼はある日ダイナーのウエイトレス、デボラ(リリー・ジェイムズ)に一目ぼれ。クレイジーな環境から抜け出すために最後の仕事に挑みます。
とにかく、夏の終わりに観るにふさわしいご機嫌♪な映画が登場です。音楽好き、アクション好き、いや映画ファン全ての方に観てほしい!世界中で大ヒット中の本作は口コミで観客がどんどん増えている、いわゆる"愛され系"映画。一番の特徴はカーチェイス版「ラ・ラ・ランド」"とも評されているぐらい音楽とストーリーの融合が完璧!いえ、ミュージカル映画という訳ではありません。
主人公のベイビーくんは幼い頃の交通事故の後遺症で耳鳴りが止まらない。唯一大好きな音楽をイヤフォンで聴いている時はそれが紛れる、そんなキャラ設定があるのでいつも音楽を聴いています。なので劇中に流れる音楽は全て彼が聴いている(聴こえてくる)もの。
映画冒頭も、iPodからベイビーくんがセレクトした音楽が流れる、強盗たちは銀行に向かう、車に残ったベイビーくんはリップシンクしがら音楽に合わせてポージングしたり、ワイパーを動かしたり、なんとも可愛い!でもいざ逃走となると人が変わったように曲に合わせてアクセルを踏み、ハンドルを切る。こんな風に劇中ずっとベイビーくんセレクトの音楽が流れ、それに合わせてカーチェイスや銃撃戦、日常音、登場人物のセリフだってビートやリズムにのって展開する、そのセンスの良さにはもう脱帽。
とにかく冒頭数分、いや数秒間で「この映画、傑作に違いない!」と思わせてくれるんです。しかも映画館で観るとベイビーくんの右イヤフォンが外れると右スピーカーからの音が消える、といったように彼がどんな感じで音楽を聴いているかまでバッチリ体感出来て、臨場感もあるんです。音楽がとても重要なファクターな映画なだけにこういう演出が随所にあるのが本当に「わかってる~!」。
そしてセンスが良いのは音楽使いだけじゃない。内容自体はケイパー(犯罪者が主人公の犯罪もの)映画なだけにカーアクションは真っ当な!?「ワイルド・スピード」並みにキレキレ。車大好きな方のテンションもアゲ↑アゲ↑になるシーンも満載。また犯罪者ボス・ドクをケビン・スペイシー、チームを組むことになるイカレた強盗犯をジェイミー・フォックスと2人のオスカー俳優が演じ脇をガッチリとアシスト。ベイビーくんのお相手は実写版「シンデレラ」のヒロインでお馴染リリー・ジェイムスが演じていてキャスティングの良さも必見。
勿論、主演ベイビーくん演じるアンセル・エルゴート(「きっと星のせいじゃない」でブレイク!)はその名の通りベビーフェイスだけれど、身長190センチ越え、ミュージシャンの顔も持ち、親しみやすさオーラをまとったまさにリアル・ベイビー。この映画が"愛され系"である所以も彼がベイビーを演じたからこそでしょう。そんな彼とデボラのスウィート過ぎるラブストーリーも絵になるし、その出会いによって幼い頃の悲しい記憶を乗り越えて前に進もうとするベイビーくんにちょっとジーンときちゃったり・・・。映画全体の色使いやスムーズな場面転換とかもイチイチ小技が効いているし、もう褒めるところしかないですね。
(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と並んでマザコン青年映画としても素晴らしい。)
本作の監督はこれまでも"悪い奴じゃないけど、ダメな男が「今度こそ!」と奮起する映画"を撮らせたら世界一(私調べ)なエドガー・ライト。この映画の前に「アントマン」の監督降板・・・という悲しい出来事があり、エドガーファンは「ショックだったろうな、立ち直れるかな?このまま干されたりしないかなぁ。」と心配していましたが既に本国でも1億ドルを越える大ヒットにもなっている上に作品の出来自体、彼のベストワークと言っても過言ではないでしょう。
(中央のケビン・スペイシーの右隣が自身もベイビーフェイスなエドガー・ライト監督。その隣にはレッチリのフリーも強盗のメンバーで登場です)
エドガー自身がこの映画でもって(これまで描いてきた主人公のように)Once Again!しているところがまた泣かせます。MusicとLoveが原動力!この興奮、是非スクリーンで体感してください!!!サントラも買いだYO!
By.M
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント