『ハンターキラー 潜航せよ』
まとまった休みの時期になるとファミリー向け映画の公開が増えるので「アクション映画が観たいなぁ」というリクエストを頂きます。そんな方にうってつけの1本が只今スマッシュヒットしています。今回は4/12(金)公開『ハンターキラー 潜航せよ』をご紹介します。
ロシア近海で消息を絶ったアメリカの原子力潜水艦の捜索に向かったジョー・グラス艦長(ジェラルド・バトラー)率いる攻撃型原潜“ハンターキラー”。彼らはアメリカの原潜と共に沈んでいたロシアの原潜を発見し、生存していた艦長アンドロポフ(ミカエル・ニクヴィスト)を捕虜として捕えます。同じ頃、地上では特殊部隊ネイビーシールズの極秘偵察によりロシア内で陰謀が企てられようとしていることが判明。未曾有の事態を回避するべく、世界の運命は一隻の潜水艦“ハンターキラー”に託されるのです。
昔から“潜水艦映画にハズレなし”と言われていますが、この言葉通りの作品が登場しました。でもなぜそう言われるのか・・・?逃げ場のない限られた空間というのが物語そのものの閉塞感を助長し、緊迫感も増し増しとなるからか?つまりシチュエーションがよりドラマティックにするから?
本作の中でも敵の攻撃で機材が大破&艦内浸水、からの乗組員が何かの下敷きになる&溺れる、音波探知機から逃れるため静まりかえる艦内、からのノイズが出て冷や汗、逃げ切れるかと思って油断すると危機一髪!など潜水艦映画あるあるなトラブルがふんだんに盛り込まれていて、そんなシーンが出る度に「よっしゃ~」という思いと共にテンションが高まっていきます。
加えてこの映画の魅力は艦内だけの一触即発な展開に留まらず、物語が海パートと陸パートに分かれていて、互いが1つのミッションをやり遂げるために各々が任務を遂行し、時に海陸パートが協力し合う、という展開になっていくところ。
海パートではザ・男気溢れるジェラルド・バトラーが扮するグラス艦長が経験を元に冷静に時に大胆に采配をふるいます。この時、捕虜となったロシア潜水艦の艦長アンドロポフとのやり取りがスパイスにも。そう、ロシア内のある陰謀を知り、二人が共闘し合うんです。敵国の艦長を信じていいの?どうなの?の緊張感も加わります。
そして陸ではビーマン隊長(トビー・スティーヴンス)率いる4人がまさに少数精鋭の働きでもってロシア内で起きようとしている陰謀に立ち向かうのですが、これがまた絶対絶命!という場面で絶妙タイミングで仲間に助けられたり、「俺がここを守るからお前たちは行け!」的展開があったりと、こういうアクション映画をドラマティックにする要素がどんどんプラスされるんです。
二つのパートがそれぞれ全力を尽くし、それまで実際には出会っていなかった者同士が最後、「海では君たちが、陸では君たちが頑張ってくれてたのか・・・」と対面するシーンで熱い涙が頬をつたう、ってもんです。
本作はアメリカ国防総省とアメリカ海軍の全面協力の元に作られている作品なのでミリタリー好きな方にも大満足していただける1本!やっぱり、“潜水艦映画にハズレなし”なのです。
追記、 ロシア艦長を演じたミカエル・ニクヴィストは残念ながらおととし56歳の若さ逝去。
『ミレニアム』シリーズや『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などで知られるスウェーデンの名優でした。彼の名演も併せてご堪能ください。
By.M
(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.