ウラシネマイクスピアリブログ

映画を愛するシネマイクスピアリの宣伝担当者が
今後の上映作品を
ウラからナナメから眺めてそっと語るオフィシャルブログ

『2022年総括の巻~MYベスト映画ランキング~』(男住人Aバージョン)

皆さまの年末年始はいかがでしたでしょうか。男住人Aです。ちょっと遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。2023年もシネマイクスピアリをよろしくお願いいたします!
それでは、毎年恒例の振り返り企画、女住人Mと男住人Aが昨年一年間の当館上映作品の中から選ぶ「MYベスト映画ランキング」<2022年版>をこれから2週にわたってご紹介させていただきます!

早速話が少し逸れますが、昨年は僕も大好きだった先輩劇場さんがいくつも閉館となってしまいました。岩波ホール、ギンレイホール、テアトル梅田・・・。残念で寂しくてたまりませんが、それら劇場に通われていたたくさんの映画ファンの方々に「シネマイクスピアリも悪くないね」と言っていただけるような劇場にしなければ!、と襟を正した2022年でした。

では、ランキングに入ります。邦画が大好きな僕の偏ったセレクトになりますが、お付き合いください!

まず10位から6位を一気に!

10位 『シン・ウルトラマン』
9位 『アネット』
8位 『窓辺にて』
7位 『NOPE ノープ』
6位 『ブレット・トレイン』
久々のレオス・カラックス監督!今泉力哉作品も当館ではわりと久しぶりの上映でした。最高のバカ騒ぎ映画『ブレット・トレイン』は、カルメン・マキや麻倉未稀の楽曲使いにも爆笑。『シン・ウルトラマン』はここ数年、僕の中で品質保証俳優となっている長澤まさみさんも出てましたね。『MOTHER マザー』『すばらしき世界』、そして今年はこの作品とドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』もめちゃめちゃ面白かった!

続いて5位 『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』
まさにタイトルそのままに、国家(権力)と闘うビリー・ホリデイの姿。以前に本で読んだ淡谷のり子さんのことを思い出しました。戦時中とはいえ日本にも同じような時代があって、同様に闘った人たちがいて、それを経て今の比較的平穏な時代がある。そんなことをしみじみと感じた作品でした。

4位 『FLEE フリー』
2009年に劇場公開され、当館でも名作アニメーション特集の企画で上映した『戦場でワルツを』は今も忘れられない一作ですが、同じ系譜を感じて公開前から楽しみにしていました。“主人公や周囲の人々の安全を守るためにアニメーションで制作される必要があった”という背景と共に、忘れてはいけない作品がまた一つ増えました。

――ここからベスト3!

3位 『トップガン マーヴェリック』
ハリウッド映画をあまり観ない僕でさえも、この作品は大興奮。コロナの影響で普通に営業することさえままならなくなった世界中の映画館の鬱々としたムードを吹っ飛ばしてくれるような特別なパワーを感じました。実際、経営収益面でも救われた劇場は多いことと思います。
当館ではつい先日1/15に33週間と少しのロングラン上映を終えたのですが、ラスト上映に集まってくださったファンの方々の熱量もとても感動的でした!(その時の模様は次回、女住人Mさんがレポートします。)

2位 『ある男』
現在、大河ドラマでも話題の愛知県三河地方出身のお二人(原作・平野啓一郎さん&石川慶監督)が関わる作品とあって、同郷&同世代の僕はそれだけでワクワクしていたのですが、ミステリードラマとしての展開の面白さもあり、僕の大好きな安藤サクラさんもいい感じだし、ガッツリと楽しませていただきました。別の人として人生を生きなおしてみたい気持ち、誰にでもありますよね?ただ劇中人物には切実な動機があってのことなので、それがまた切ないのですが・・・。

そして第1位! 『偶然と想像』
去年のこのランキングで“濱口監督は最新作『偶然と想像』も素晴らしかった”と書きましたが、その時点ではまさか次の年にシネマイクスピアリでも上映が決まって、そしてこのような結果になるとは予想外でした。もちろん昨年中にも新たな映画とたくさん出会いましたが、それらを飛び越えるほどの不思議な味わいがこの作品にはあって、それが一年以上経っても僕の中に残っています。『ドライブ・マイ・カー』などで濱口監督を知ったという方には、ぜひこちらも強くオススメしたい!!

以上、男住人Aによる2022年ランキングでした。上位2作は邦画でしたが、意外と洋画作品も多いランキングとなりました。

さて、このランキングは「シネマイクスピアリの上映作品の中から選ぶ」という建て前?でお届けしているわけですが、ここでどうしてもご紹介したい作品がもう一つあります。
旧作企画「キネマイクスピアリ」の3月作品として上映が決まっている『こちらあみ子』です。

あのライムスター宇多丸さんのシネマランキングでも2022年の1位に輝いたこの作品。僕も見事にドハマりしまして、公開中に都内劇場さんへ2回通い、さらに「『こちらあみ子』を語る夜」というイベントにまで参加してしまいました。

一見すると「かわいい女の子の日常が描かれる、ノスタルジックなゆるふわ系映画かな~?」と見えなくもないですが、とんでもない、侮るなかれ。とてもリアルで厳しい側面をもった作品です。ただそれが強烈な個性と魅力にもなっていて、僕の場合は観終わった直後からすぐにあみ子やお父さん、お母さん(井浦新さん&尾野真千子さん)に会いたくなりました。また、当館でも上映した『さかなのこ』をご覧になった方は、思い出しながらぜひ『こちらあみ子』も観ていただけたら嬉しいです。
上映期間は3/10~16の一週間限定、ご期待ください!

\応答せよ、応答せよ!/

それでは、2023年も劇場でお待ちしております!

By.A


配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/(C)2021 Billie Holiday Films, LLC. All rights reserved./(C)Final Cut for Real ApS, Sun Creature Studio, Vivement Lundi!, Mostfilm, Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund, Ryot Films, Vice Studios, VPRO 2021 All rights reserved/(C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved./(C)2022「ある男」製作委員会/(C)2021 NEOPA / fictive/(C)2022『こちらあみ子』フィルムパートナーズ