『キャロル』

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 こんにちは、女住人Mです。今週もオスカー関連の話題作を!本年度アカデミー賞主演女優賞、助演女優賞ほか6部門でノミネートされている2/11(木)公開『キャロル』をご紹介いたします。
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 舞台は1952年、ニューヨーク。高級百貨店でアルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラ)はクリスマスを控え賑わう売り場である女性に出会います。彼女の名前はキャロル(ケイト・ブランシェット)。このうえなく美しいその人に心奪われます。テレーズは恋人から求婚されているにも関わらず、キャロルの存在がどんどん自分の中で大きくなっていく。そんな初めての気持ちに心を乱されていきます・・・
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 本作は「見知らぬ乗客」、「太陽がいっぱい」で知られるパトリシア・ハイスミスが1952年別名義で発表し、大ベストセラーになった「ザ・プライス・オブ・ソルト」が原作。当時、同性婚はいわんや、同性同士の恋愛は精神の病いと思われていた時代。ミステリー作家として名声を得ていたパトリシアであっても女性同士の恋愛小説を書くこと自体がスキャンダラスだったため、別名義で出版していた、そんなことからも時代背景は察することが出来ます。そして女性同士の恋愛を描いた・・・と書くとその局面だけにフォーカスされそうですが、人が誰かと出会い、理由もなく恋に落ち、愛を知ってしまう過程と何者でもなかった一人の人間が何かのきっかけを経て自分自身をみつけていく様を美しく、切なく描いたのが本作『キャロル』です。
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 キャロルを演じるのは最近では「ブルー・ジャスミン」でオスカー主演女優賞に輝いているケイト・ブランシェット。彼女の美しさは過去3度のアカデミー衣装デザイン賞に輝くサンディ・パウエルの衣装がさらに引き立てます。テレーズがキャロルにあこがれを抱き、それが次第と恋心へと変化していくのも納得。テレーズを見つめるキャロルの目線、さらっと肩に触れるしぐさ、テレーズに向けられるそれらの1つ1つが官能的でエモーショナルなんです。
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 一方、全ての幸せを得ているように見えたキャロルは、打算的な結婚生活、自分が自分として生きていない、生きていけないことへの悲しみを抱えているからこそ、夢を持ちながらも一歩が踏み出せない、恋人がいるけれど本当に彼のことが好きかわかならない、そんなまだ自分が定まっていないテレーズにどんどん惹かれていきます。まだ何者でもないということは限りない可能性を秘めたまっさらなひとだから。キャロルにとってはまさにテレーズは汚れなき天使なのです。
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互いがないものを持ち、それを補完するような関係性は二人の感情をどんどん引き寄せるのですが、それをおおっぴらに出来る時代ではなかったことが二人にとって大きなハードルとなり立ちふさがります。でも、誰かを愛することでぶち当たってしまう壁は男女間であろうとも存在します。愛する誰かに出会うということはとても幸せなことですが、と同時に苦しいことでもあり、それは性別云々を抜きにして恋愛を知った全ての人が一度は抱える共通の感情です。だから二人の心の揺れが胸に刺さってしまうのです。
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 たまたま好きになった人が同性であっただけで・・・というのは常套句のように聞こえるかもしれませんが、この映画を観ていると純粋にその想いが胸に迫り、人が誰かを愛することで知る、喜び、儚さ、苦しみ、そんな感情を全てギュっと抱きしめたくなるのでした。
 透明感に溢れるテレーズとミステリアスで物憂げな気品が漂うキャロルという魅惑的な女性二人が織りなすラブストーリー、
『キャロル』は2/11(木)からシネマイクスピアリにて公開です。

★おまけ★
 本作の公開に合わせ、主演のケイト・ブランシェットさんが6年ぶりに来日。ケイトさんが登壇されるジャパンプレミア上映会に男住人Aも参加してきました!劇場内に敷かれたレッドカーペットを歩くケイトさんはファンからのサインに応じたり、笑顔で手を振ったりととても気さく。そのオーラとキラキラ輝く美しさに会場中がケイトさんに魅了されていました。今回の来日に関しては共演したルーニー・マーラさんと一緒に来られなかったことをとても残念がっていらっしゃいましたが、お二人がアカデミー賞で主演女優、助演女優賞とWノミネートされていることを大変喜んでいらっしゃいました。
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女性同士のラブストーリーであることに関して「これこそが映画の力だと思う。女性同士とか男性、女性のジェンダー(性別)の垣根を超えた"ロミオとジュリエット"のような壮大な純粋な愛が描かれている。つまり愛は愛である、そこに変わりはないわ」とコメント。

 気品溢れるケイトさんを間近に見ながら「"キャロル"を日本人が演じるなら誰がいいかな」と妄想していたのですが、まさにキャロル役にぴったりな寺島しのぶさんが花束贈呈ゲストとして登壇。寺島さんはケイトさんの大ファンだそうで、本作についても「これぞ映画! 理屈なしで自然に入り込めました。おふたりの見る人の心をつかんで離さないお芝居もすごかったです」と大絶賛。
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 寺島しのぶさんと言えば、なかなかキワドイ役柄を憑依するかのごとく熱演する姿が印象強い女優さんだと思うのですが、このキャロルのような湿度たっぷりな役も必ずやハマるはずです。(しのぶファン歴20年の私が断言します。)独特な色気を持っているところもケイトさんと共通するかもしれませんね。同じ"女優"という仕事に邁進しているお二人だけあって、舞台上でもすぐに打ち解け、二人だけで楽しそうに会話を交わす場面も。
いつかこの2大女優の共演もあったらいいな~、と思ったジャパンプレミア上映会でした。
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By.A&M
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