『ブルーに生まれついて』

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 みなさんこんにちは、女住人Mです。あっと言う間に師走になり、街はクリスマスな雰囲気で浮かれ気味・・・な一方、北風が身に沁みるおセンチな季節でもあります。12月はハッピーよりもメローを感じるあなたにオススメ、11/26(土)公開『ブルーに生まれついて』をご紹介します。
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 本作の主人公は黒人アーティストが主流の1950年代モダン・ジャズ界において、甘いマスクとソフトな声、哀愁たっぷりなトランペットの音色でもってファンを熱狂させていたミュージシャン、チェット・ベイカー。彼の転落と苦悩、そしてある女性との出会いをきっかけに新しい人生を模索する姿を切なく描きます。

 と書くと「ジャズとか聞かないしな~」「チェット・ベイカー、知らないしな。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、私も映画を観るまで「マイ・ファニー・バレンタインは知っているかも。トランペットの人だよね。」ぐらいの知識だったにも関わらず、既に2回も観てラストは涙し、チェット・ベイカーの曲がipodに入っているぐらいですから、ご安心を!
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ジャズ初心者な私がなぜこんなにも心奪われてしまったのか・・・それはもうチェット・ベイカーを演じたイーサン・ホークのハマり具合がたまらない!これが一番です。イーサンと言えばどこかトホホな役、大人になりきれない甘ちゃんな役、神経質で脆い、そういう役を演じると本当に光るタイプで、実生活でユマ・サーマンと結婚しながら浮気で離婚という実績からも、ダメ男なイメージがあります。(けなしてません!)それでもなんか憎めなくって、どこか漂うその未熟さオーラ込みで彼の魅力なんです。(ほら、褒めてます!)

チェットは才能がありながらもドラッグに溺れ、代金未払いで売人にボコボコにされ、顎を砕かれ、前歯を折られ、トランペッターにとって致命的な怪我をして、再起不能になります。そんなダメダメな彼を「もうほっとけないわ」と登場する恋人に慰められ、献身的に支えてもらい復活を夢見る。こういう役どころはイーサンにぴったり過ぎる訳です。
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イーサン自身、「6才のボクが、大人になるまで」他でタッグを組んでいるリチャード・リンクレーター監督と以前からチェット・ベイカーの映画を作ろうとしていたぐらい、彼に魅了されていたようで、この役の前にみっちりトランペットのトレーニングを受け、その意気込みもバッチリ!加えて劇中歌う「マイ・ファニー・バレンタイン」は、イーサン扮するチェットの色気が駄々漏れでイーサン史上、こんなにSEXYな彼を私は見たことがありません。このシーン、女性陣なんかはクラクラしちゃうと思いますYO!
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 チェットはドラッグでトランペッターとしての人生を終わらせてしまうかと思いきや、自分にはトランペットしかないという気持ちや音楽に対する純粋なまでの愛、そして恋人の支えで奇跡的なカムバックの機会を得ます。でもここが正念場、という時にチェットはまた選んではいけない道の方へ、引っ張られていくのです。彼の弱さと言われればそれまでですが、それを選ぶことでしか生きられないと感じている彼の闇、彼の絶望的な悲しみがどこか哀愁たっぷりで、そういう想いを抱えているからこそ、彼だけの音楽が生まれる、そんな風にも思えます。
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 イーサンはこう語ります。「薬物は"悪"だ。そんなのは当たり前だ。僕が表現したかったのは"悪"の仮面の下に隠された人間の姿だ」と。あんなにも破滅的でどうしようもない男なのにその仮面の下にある彼の憂い・・・もうたまりません。そもそも「イーサン・ホーク、知らんがな」という方々にも、彼が演じるチェットの魅力でこの映画の虜になることをお約束します!


By.M
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