『マダム・フローレンス!夢見るふたり』

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 みなさんこんにちは女住人Mです。年末が迫ると全米ではアカデミー賞に向けて勝負作の公開が増える時期でもあります。そしてアカデミー賞常連女優のあの方が本作の演技でまたもやノミネートが噂されています。今回ご紹介するのはオスカー19回ノミネート、そのうち3度受賞しているメリル・ストリープ主演、12/1(木)公開『マダム・フローレンス!夢見るふたり』です。
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 メリルが本作で演じるのは実在したソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンス。ニューヨーク社交界トップのフローレンスは、音楽家を支援するクラブを創設し様々な公演を催す傍らソプラノ歌手になることを夢みています。音楽をこよなく愛するフローレンスをマネージャーでもあり夫のシンクレア(ヒュー・グラント)は寄り添いながら支えているのですが、彼女には致命的な欠点が・・・それは"音痴"だった、しかもそれに気付いていなかった!それでもシンクレアは彼女の~音楽の殿堂カーネギーホールで歌う~という夢を叶えようと奮闘するのです。
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フローレンスをメリルが可愛げ120%で演じ、とても温かく、笑いいっぱいに描かれる本作。
メリルはこの役のために一度オペラのコーチのもとで正しく歌えるよう特訓し、その後音程を外す練習をしたそうで、実際に残っているフローレンスの生歌(音源)に負けない!?音痴っぷりを劇中で披露。でもそこには音楽が好きでたまらない彼女の歌に対するLOVEが溢れていて、とっても可愛らしい。確かに彼女はお金持ちのマダムで、好きなものにた~んとお金を使えた恵まれた人かもしれませんが、音楽へのまっすぐな愛情をもっていたからこそ、周りの人たちも彼女を応援していた、というのが伝わります。
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そしてフローレンスの一番の理解者、シンクレアをヒュー・グラントがちゃめっ気たっぷりに演じるので、そのコンビネーションがまた良いんです。だいたい実年齢10歳近く違う二人、加えてオスカー常連の大御所メリル相手でこんなに余裕をもって飄々とした演技が出来るのもおヒューぐらい器用な役者じゃないとつとまりません。劇中、彼がダンスするシーンもあって、ファンの方にはたまらない、おヒューらしさに溢れる1本にもなっています。
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笑いの絶えない物語なのですが、年が離れたカップルで、ずっと一緒にいながら事実婚、毎日甲斐甲斐しくシンクレアはフローレンスを支える反面、一日が終わると愛人キャサリン(レベッカ・ファーガソン)のいる家に帰る日々と、実は二人だけが共有している秘密もあったりするのですが、それにもお互いが思い合うある理由もあったりで、そういうったサイドストーリーが描かれるところも本作の魅力の1つなのです。

 愛する人のためなら、自分が出来ることがあれば何かやってあげたい、そういった思いは誰しも経験することでしょうし、例え"音痴"という一見、欠点と思えることでも彼女はそれがあったから愛された。なぜならそれを凌駕する音楽へのまっすぐな想いと愛する人たちへの深い愛があったから・・・・。
これから肌寒くなる季節、本作を観て笑いと涙でほんわかと温まってくださいね。

By.M
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